鴻崎正武 「MUGEN」

アートフロントギャラリー

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[画像: 鴻崎正武 Tree of world-dialogue- / 2020 / Φ600×1200 / 麻紙、箔、岩絵具、アクリル、パネル ]

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鴻崎正武は1972年生まれ。東京藝大大学院在籍中に青木繁記念大賞を受賞するなど、未来予想図的な《TOUGEN》シリーズで注目を浴びた。多視点から成る平面上に盛り上げた金銀箔の雲を散らし、雲間に点在するキメラ風の動植物や未来の乗り物、黙示録に出てくるような異界の生物や事物が画面を埋め尽くすという作風はその後も変わらない。アートフロントでは大阪のホテルにその地のランドマークを組みこんだ作品を依頼したのがきっかけで2010年の4人展《逸展》に出品、その後代官山T-SITEのanjin caféの常設の壁画を手掛けた。2012年の個展以後、洛中洛外図を想起させる絢爛なスタイルが海外コレクターの心をつかみ、NY, ロンドン、シンガポール、香港など鴻崎ファンは海外にも多い。

前回の個展では描かれるモチーフが生まれ故郷の福島県双葉町を擁する東北へと向けられた。秘境羽黒山を中心に据えた大画面、双葉十一面観音坐像、小沢仏、慈恩寺大日如来などの仏像たち。或いは東北みやげとして認知されているこけしやだるまが空中を飛んでいる図柄が描かれる。福島第一原発の事故によって同郷の人々にとって全く変わってしまった「ふるさと」への想いを代弁するかのように、地元人にしか描けないモチーフを描き連ね、ローカルなものの確かさ強さを浮き彫りにして見せた。
今回の新作展に向け、鴻崎は「ポストアポカリプスな状況だからこそ、あえてユートピアと向き合うべきではないか」と自問する。例えば、俯瞰的な構図の中に都市の繁栄を象徴するサグラダファミリア、ピサの斜塔、エッフェル塔などが垣間見える作品だ。金雲を貫くタワー群は人間の欲望の表れでもあり、それぞれのシンボルは等価に扱われる。見る者は世界中の都市が同時多発的に見えない敵との闘いを余儀なくされるという、中世のペスト流行以来の状況に今、直面していることを思い出さずにはいられないだろう。国境や文化の違いを超えたパンデミックという事態は、鴻崎のいう「自然の掟に従うのではなく、自然を支配したいという人間の欲望から生み出された」ものかもしれず、結果、自然界から受ける倍返しを人間のさがとして受け止めざるを得ない。それでもなお、その先に希望があるとすれば、それはやはり人間の生み出す何かではないだろうか。

「人間が幸せに向かってもがいている実感は、誇張された未来でしか描けない」とする鴻崎の一貫した姿勢は、
今回の個展でどのように発露されるのだろうか。屏風や円形・楕円形の新たなフォーマットの中での展開をどうぞご高覧いただきたいと願う。

メディア

スケジュール

2020年10月23日 ~ 2020年11月22日
水曜日から金曜日は12:00〜19:00、土曜日・日曜日は11:00〜17:00

アーティスト

鴻崎正武

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