ルノワール+ルノワール展

牧歌的風景 - それぞれがのこした遺産

poster for Renoir + Renoir

ルノワール+ルノワール展

にある
Bunkamura ザ・ミュージアムにて
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ジャン・ルノワール《草の上の昼食》 1959年 STADIOCANAL IMAGE

《陽光のなかの裸婦》の隣で《草の上の昼食》が映写される。「ルノワール+ルノワール展」では、絵画の巨匠ルノワールと、偉大な映画作家ジャン・ルノワールの作品いくつかが対になって展示されている。額縁の中の絵画と、スクリーンの中の映画のワンシーンが、どれもよく似ていて、重なって見えてくる。

父ルノワールと息子ジャン・ルノワールの作品を、並列して展観し、共通するさまざまなテーマを紹介しよう、というのがこの展覧会のコンセプト。2005年にパリのシネマテーク・フランセーズで開催され、話題となった展覧会だ。

ルノワールはルノワール、ジャン・ルノワールはジャン・ルノワール。いくらふたりが親子であろうと、作品を親子関係で判断してしまうのは、タブーではないのか。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 《陽光のなかの裸婦(試作、裸婦・光の効果)》 1875-76年頃

「ルノワール+ルノワール展」は、このタブーを逆手に取った展覧会だが、対になるふたりの作品のピックアップの仕方が見事。モチーフ、構図、色彩、光の取り入れ方、どれもよく似たものが選ばれる。ジャン・ルノワールは、この絵の実写版を撮ろうとしていたのかな、などと考えながら、腕を組んで唸りたくなる。「ムム、瓜二つ」と。父の実写版として映画を撮っているという感覚が本人にあったかどうかその実分からないが、そのような考えに、展示のロジックによって導かれてしまう。

本来なら作品観賞に親子関係を持ち込まないほうがいいと思う。個別に観るのがやはり一番の見方だと思う。だがふたりの芸術家の親子がひとつの部屋に並べられる機会、はたまた、美術館で観る芸術と映画館で観る芸術がひとつに展示される機会は滅多にあるものではない。貴重な展覧会である。

Aie Shimoguchiya

Aie Shimoguchiya. フリーライター。1978年東京生まれ佃島育ち。高校時代から文筆業を志し上智大学文学部フランス文学科へ進学。在学中は出版社などでフランス語翻訳のアルバイトをする傍ら、演劇サークルで活動していた。アパレル企業、編集プロダクション勤務を経て現在に至る。夫と杉並区在住。映画、アート、モード、和服、ダンス、クッキングのジャンルを好む。カタログや辞書を読むのが趣味。作家の川上弘美さんのような人が目標。 ≫ 他の記事

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