ワンダーウォール代表、片山正通が所有するコレクション70点がニューヨークのオークションに出品

米ニューヨークにて「New Nowオークション」が開催されるのと同日の9月19日、日本を代表するインテリアデザイン事務所「ワンダーウォール」を率いる片山正通が所有する70点におよぶ作品のオークション「Life is hard… Let’s go shopping.」が、PHILLIPS NY主催で開催される。

今回のオークションに出品される作品のほとんどは、今年4月8日から6月25日まで東京オペラシティ アートギャラリーにて行われた、片山正通コレクションの展覧会に出展されたもの。それらを含め選ばれた70の作品が、New Nowオークションの前に開催される、シングルオーナーオークションに出品される。

片山は約四半世紀にわたり美術作品を収集しており、その膨大なコレクションは現代美術だけでなく、家具、版画、そして写真まで多岐にわたる。コンセプチュアル・アートの第一人者として国際的にきわめて高い評価を受ける河原温や、NYの街角の広告にバッテン目のキャラクターを描きこんだ作品で一躍有名になったKAWS（カウズ）、世界中のセレブリティがコレクションしているというオリジナルのヴィンテージ家具で有名な建築家・デザイナーのJean Prouvé（ジャン・プルーヴェ）らの作品を所有するコレクターとしても知られている。

片山は自身のコレクションについて、「カテゴリーにこだわりはありません。ここにある作品は、僕の持っていた既成概念を壊し、新しい可能性を見せてくれたものばかりです」とコメントしている。

また、同コレクションの一つで、最も有名な画家の一人であるAdrian Ghenie（エイドリアン・ゲニー）の《The Collector 4》は、10月6日にロンドンで開催される20世紀、現代アートのイブニング・セールに出品される。これらすべてのオークションでの収益は、合計340万ドル（約3億7千万円）を超えることが予想されている。

オークションを主催するPHILLIPSは約300年の歴史を持ち、コンテンポラリーアートおよびデザインを中心とした世界をリードするオークション会社。

同社ニューヨーク支社のRebekah Bowling（Specialist／Head of Phillips’ New Now Sales NY）は、「今回片山正通氏とご一緒できることに興奮しているとともに、彼の審美眼を捉えた作品群のオークションを今秋PHILLIPSにて開催できることを光栄に思います。片山氏の類いまれなコレクションは、世界をリードするワンダーウォールを作り上げた自由な発想、創造性、好奇心、バランス感覚を体現しています」と述べている。

執筆：中井千尋　編集：岡徳之（Livit）