公開日:2020年10月8日

山種美術館が初のクラウドファンディングを実施中:目標金額は500万円

山種美術館が運営費用捻出のため、初のクラウドファンディングを実施する

新型コロナウイルス感染症の影響により、大幅な収入源が続く多くの美術館。これまで原爆の図丸木美術館、ワタリウム美術館などが運営のための寄付を募ってきたが、新たに山種美術館クラウドファンディングを行うことが決定した。目標金額は500万円。

山種美術館は1966年、日本で初めての日本画専門の美術館としてオープン。約半世紀にわたって近代・現代日本画を中心とした収集、研究、公開、普及に努め、所蔵作品は近代・現代日本画を中心に、古画、浮世絵、油彩画など、6点の重要文化財を含む約1800点にのぼる。

現在は、竹内栖鳳をはじめとする近代・現代の日本画家が手がけた動物画が一堂に集まる「竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」が11月15日まで開催中だ。

これまで入館料やショップの売り上げが収入源の柱であり、企業からの寄附金や公的な補助金に頼ることはほとんどなかったという山種美術館。しかし、今後美術館の安定した運営を継続するために、運営資金の新たな柱として寄附を活用することにしたという。

運営費用内訳は展覧会準備費(作品運搬、展示造作、展示作業、照明調整などの委託費)、展覧会運営費(展覧会運営に必要なオぺレーションスタッフの人件費)、展覧会会場設備の維持・管理費(照明設備・空調設備・エレベーター等の保守・更新)。

クラウドファンディングは「READYFOR」にて12月14日の23:00まで受け付けており、一過性の単発的な「緊急支援のお願い」ではなく、今後の美術館の運営のあり方を考える一つの契機にするという。

オンライン会議用背景として山種美術館が配布中の画像。作品は鈴木其一《四季花鳥図》

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