第1回シセイドウ アートエッグ「内海聖史 展」

資生堂ギャラリーが新進気鋭のアーティストに広く発表の場を設けることを目的とした公募展「shiseido art egg」(シセイドウアートエッグ)。第1回目の公募の結果入選した3人のアーティストの個展が、資生堂ギャラリーにおいて順番に開催され、展覧会終了後、妹島和世氏、藤本由紀夫氏、辰野登恵子氏の3人の審査員が、3つの個展からベストワンを選出する。現在、1月の平野薫、2月の水越香重子に続いて、内海聖史の展示が行われている。

poster for Satoshi Uchiumi Exhibition

内海聖史 展

銀座、丸の内エリアにある
資生堂ギャラリーにて
このイベントは終了しました。 - (2007-03-09 - 2007-04-01)

In レビュー by Rei Kagami 2007-03-22

資生堂ギャラリーが新進気鋭のアーティストに広く発表の場を設けることを目的とした公募展「shiseido art egg」(シセイドウアートエッグ)。第1回目の公募の結果入選した3人のアーティストの個展が、資生堂ギャラリーにおいて順番に開催され、展覧会終了後、妹島和世氏、藤本由紀夫氏、辰野登恵子氏の3人の審査員が、3つの個展からベストワンを選出する。現在、1月の平野薫、2月の水越香重子に続いて、内海聖史の展示が行われている。

《色彩に入る》2007年

内海は、無数の色彩のドットが特徴的な絵画によって、絵の具の美しさ、色彩と色彩の関係性をストイックに追求してきた。

作品と鑑賞者の距離を重要なことと意識している内海は、展覧会ごとに、展示空間に合わせたサイズで、その場所で一番美しく見える見方を考えて作品を制作している。

今回は、資生堂ギャラリーの大きな空間の壁いっぱいに広がる、約4m×9mの大型の作品を作成した。全部で22枚のパネルで構成された画面を覆う色彩は「青」である。

資生堂ギャラリーの広い白い展示壁を目にしたとき、ここには青い色彩を広げたいと思ったという。

《色彩に入る》2007年

大きな色彩の塊を見たとき、人はそこから何らかのイメージを連想しがちである。たとえば今回の青い絵であれば、人によっては空や海を想像するかもしれない。

しかし、内海自身は具体的なものをイメージして描いているわけではない。純粋に素材としての絵の具の美しさ、色と色の関係性を追求しているのだ。

青い色彩の粒子は、全部が丸い形をしているにもかかわらず、垂直あるいは水平な筆のストロークによって、一つ一つが異なる表情を持つ。また、同じ青でも、その下地には実に色々な色彩が塗り重ねられているため、様々な位相の色彩が生まれている。

また、今回の作品では、画面向かって左下の”抜け”の部分が、ぱっと見では気づかないほど淡い青で塗りつぶされている。

今回のような大画面では、その淡色部分の存在によって、色と色の関係性に新たなバリエーションが加わった。

そして、色の強い部分と淡い部分の対比によって、平面であるのに奥行きを感じるという、絵画の持つイリュージョンの位相も増え、鑑賞者はまるで画面の中に吸い込まれるような感覚を覚える。

「色彩に入る」という作品タイトルは、そのことを象徴しているかのようだ。

というのも、これまでの作品タイトルは、「色彩の下」や「頭上の色彩」といった、作品と鑑賞者との間の距離を感じさせるものだった。今回の「色彩に入る」というタイトルは、絵画とそれを見る者の距離感がぐっと近くなった、あるいは一体化する可能性すら暗示しているともいえる。

また、1階のエントランスから地下のギャラリーへのアプローチ一面には、昨年10月にレントゲンヴェルケでの「三千世界」展で展示した5x5cmの小さな作品が等間隔にびっしりと並んでいる。来場者は、階段を降りる時から鮮やかな色彩のシャワーを浴び、空間の床から天井までのスペースを埋め尽くす色彩に”目が喜ぶ”感覚を味わうことができるだろう。

Rei Kagami

Rei Kagami. Full time art lover. Regular gallery goer and art geek. On-demand guided art tour & art market report. アートラバー/アートオタク。オンデマンド・アートガイド&アートマーケットレポートもやっています。 ≫ 他の記事

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