公開日:2017年6月12日

ギャラリー・ペロタンが2017年6月に日本初上陸! 六本木に新拠点をオープン

村上隆やMr.、加藤泉、JR、KAWS、ソフィ・カル、ジャン=ミシェル・オトニエルらが所属作家に名を連ねるフランスの現代美術ギャラリーがついに!

フランスの現代美術ギャラリー・ペロタンが、2017年6月、東京に新しいスペースをオープンする。

場所は森アーツセンター、サントリー美術館、 国立新美術館など多数の美術館と著名なギャラリーが立ち並ぶ六本木。ワコウ・ワークス・オブ・アート、OTA FINE ARTSなどが入居する六本木のピラミデビル1階に、広さ約130平方メートルのスペースを構える。

2012年よりペロタン香港及びソウルのディレクターを務める中島悦子、アリス・ルンとともに、同じく2012年よりペロタン香港在籍のステファニー・ヴァイヨンが東京に拠点を移し運営に携わる。

Facade of Perrotin Tokyo at Piramide Building, Wallpaper by Pierre Le-Tan.
Photo: Shidu MURAI

ペロタンの拠点はパリ、香港、ニューヨーク、ソウルに続き、今回の東京で5都市目。2012年設立のペロタン香港、2016年春設立のペロタンソウル(韓国)に次いで、アジアでは3つめの都市としてオープンする。

ペロタンは、アートバーゼル(マイアミ、バーゼル、香港)、フリーズ(ロンドン、ニューヨーク)、FIAC(パリ)、ダラスアートフェア、アートケルン、エクスポシカゴを含む世界の主要なフェアに毎年参加している実績があり、世界的な知名度をもつギャラリーだ。

欧米での主要なフェアのほか、1993年の横浜・国際コンテンポラリーアートフェア(NICAF)に始まり、アートバーゼル香港、アートステージ・ジャカルタ、上海ART021、上海ウエストバンド・アート&デザインなどアジアのアートフェアにも積極的に参加し、アジアのアートシーンにおいても近年重要な地位を築き上げている。

ソフィ・カル、村上隆など世界的なアーティストが多数所属

ペロタンのアーティストには、過去に原美術館にて個展を催したソフィ・カル(「最後のとき/最初のとき」、2013年)、ジャン=ミシェル・オトニエル(「マイ ウェイ」、2012年)両氏のほか、ヨコハマトリエンナーレ2014の参加アーティストであるウィム・デルヴォイ、ストリートから絶大な支持を受けるKAWS(カウズ)、エスパス ルイ・ヴィトン東京のこけら落としを飾ったグザヴィエ・ヴェイヤンがいる。

さらに、森美術館での「村上隆の五百羅漢図展」にて今一度存在感をしらしめた村上隆、その村上率いるカイカイキキ出身のアーティストであるタカノ綾、Mr.(ミスター)、ほかにもチェン・フェイ(陳飛)、チュン・チャン・サップ、パーク・セオ・ボー、シュー・ジェン(徐震)、バールティ・ケールを含む国際的に評価の高いアジア人アーティストが多数所属している。

ペロタンの代表であるエマニュエル・ペロタンは、1989年、若冠21歳にしてパリの自分のアパルトマンで展覧会を開き芸術作品を取り扱い始めた。
初期の活躍には1991年のダミアン・ハースト初のイギリス国外での商業的個展も含まれる。1993年には当時まだ比較的無名であったダミアン・ハーストとマウリツィオ・カテランの作品を横浜・国際コンテンポラリーアートフェア(NICAF)にて紹介した。

また、このフェアの開催中に村上隆がエマニュエルの展示ブースに立ち寄ったことが、その後長期に渡るコラボレーションのきっかけになった。翌年ニューヨークで開催したグラマーシー・インターナショナル・アートフェアにおいて村上隆の作品を初めて国外で紹介し、その後25年以上の間に多数の共同展と12の個展をペロタンの各拠点にて開催している。

空間設計は建築家のアンドレ・フーが担当

ペロタン東京の空間設計は、国際的に注目を浴びる建築家アンドレ・フー及び彼のデザインスタジオAFSOが担当する。
2012年にオープンしたペロタン香港のギャラリースペースを設計したアンドレは、ザ・アッパーハウス(香港)、ヴィラ・ラ・コスト(フランス、プロヴァンス)、フラートンベイ・ホテル(シンガポール)、ザ・バークレー・ホテルのオーパス・スイート(イギリス、ロンドン)などの主要ラグジュアリーホテルのデザインを手掛けた実績をもつ。

ペロタン東京の130平方メートルの広さのギャラリーは、コンテンポラリーでありながらピュアさを兼ね備え、くつろぎに満ちたスペースとなる。日本文化に敬意を払いつつ、外観と内観の視覚的コネクションを作り出す設計プランを立てている。加えて、スペースには柔軟性のある照明システムを導入する。
道に面した個性的なギャラリーの場所に相応しい、現代的なアートスペースが誕生する。

ペロタン東京のオープニングを飾るのは、ピエール・スーラージュ

年末から2月にかけて、オープン準備中の東京スペースの窓全面は、エマニュエル・ペロタンと25年以上に渡る親交があるアーティスト、ピエール・ル・タンのイラストレーション作品からなる壁紙で覆われていた。

娘でファッションデザイナーのオランピア・ル・タン(1950年パリ生まれ)の提案によるプロジェクトで、ペロタン所属アーティストの象徴的な作品と美術史を代表する作品が彼なりの解釈で描き出されている。

ピエール・ル・タンは1968年に18歳にしてザ・ニューヨーカーの表紙を飾り、その後ヴォーグ、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ハーパスバザー、タウンアンドカントリー、ローリングストーンといった著名雑誌や本の表紙や挿絵を多数手掛けその名を知られるようになる。2004年のマドリッドの国立ソフィア王妃芸術センターにおける大規模な回顧展をはじめ、様々な美術館やギャラリーにて多くの展示を開催。カルティエ、シャネル、コーチ、ランヴァン、ロレックス、エルメスと言ったブランドの仕事も手掛けている。

ペロタン東京のオープニングを飾るのは、ピエール・スーラージュだ。97歳になる大御所ペインターの近作で幕を開ける。

この度の開廊にともない、国際的なアーティストの作品を鑑賞できる機会が増えるだろう。今後展開されるペロタン東京のプログラムに期待がふくらむ。

■ペロタン東京 概要
住所:〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
総面積:130平方メートル
オープン:2017年6月7日
公式ウェブサイト:http://www.perrotin.com

Text: Kyo Yoshida

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