和歌山県田辺市を後半生の研究と生活の拠点にした南方熊楠(1867~1941)の学問の大きな特徴は、田辺という紀伊半島の小都市に住みながら、海外の学者とのやりとりや、ロンドンの科学雑誌への投稿を通じて、常に世界の知的情報の流れとつながっていたことにあります。地域の人々の生活や自然生態系に根ざしつつ、より普遍的な世界の理解を目指すという姿勢は、21世紀の現在においても、あるべき姿として、様々な分野から広く注目されています。
南方熊楠邸に遺された蔵書・資料を恒久的に保存し、熊楠に関する研究を推進し、その成果の活用を図り、熊楠について顕彰するための施設として、南方熊楠顕彰館が2006(平成18)年5月14日にオープンしました。顕彰館では、所蔵資料を大切に保存しつつ、広く所蔵資料を公開していきます。
また、顕彰館のオープンとともに、南方熊楠邸の公開も再開いたしました。顕彰館では、熊楠についての情報や学ぶ場を提供し、南方邸では、熊楠の生活と研究の拠点であった場所、空間を実感していただきます。