R16スタジオ元ひきこもりの現代美術家 渡辺篤は近年、当事者と協働するプロジェクトを多数行ってきた。本企画「同じ月を見た日」は、2020年4月の緊急事態宣言の夜に始動。コロナ禍前後にも継続的に孤立している人々や、コロナ禍で孤立する人々たちと共に、月の観察/撮影を続けてきた。孤立にまつわる課題は昨今国際的な問題となっている。その対応における重要な姿勢は、“ここにいない誰かのことを思うこと”だろう。あなたが月を見上げている時、別の場所で他の誰かが同じ月を見ている。コロナウイルスは世界中で深刻な爪痕を残してきたが、一方では大気汚染や光害の劇的な改善ももたらし、人類に対し、光と陰を生み出した。夜空の月もまた、コロナ(太陽)による光と陰で人々にその姿を見せている存在だ。
本展では、国内外から集まった約1,000枚の月の写真を用いた作品や大型インスタレーションを始め、遠く離れた場所に居る人々が会場の明かりをスマートリモコンのシステムを用いて灯す作品など、ここにいない他者を想起する作品群4点を中心に構成。
さらにコロナ禍の作品展示空間の抱える問題についても取り組む。会場は、渡辺が普段使用しているシェアスタジオの壁面を取り去ることで、人が密になる閉鎖性を無くす。また会場と隣接する国道16号線の対岸からの鑑賞も想定し、コロナ禍における新たな作品鑑賞方法を提案する。
会場: 「R16 studio」内Room9・Room10(路面側からの鑑賞)
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