nca | nichido contemporary artは台湾出身のピンリン・ホワンによる個展「川面から昇る夢」を開催いたします。ホワンは自身の体験を描き留めたスケッチブックをもとに風景画を描いています。柔らかで透明感のある色彩と、滑らかな筆の痕跡によって独特の世界を創造し、それは実在しない風景でありながらも、どこか懐かしさをと心地よさを感じます。本展のタイトルは、ホワンが読んだ友人の著書、“Dans le Meilleur des Cas (In the Best Case Scenario / 最良のシナリオ)”で引用されたアレキサンドル・ヴィアラテのある著書の一節、「夢が川面から昇り、私は立ち止まる。夢は多くの事を知っているが、それがどこから来たのかは分からない…」に共感し、強く印象に残っていたことからタイトルに反映しています。無意識の奥底にある感情や記憶が混ざり合い、別のさまざまな姿となって現れる夢に自身の本質が反映されるだろうと考えるホワンは、近年は夢や感情の断片も絵画のなかに取り入れようようと、さまざまな色彩の筆致を重ね、新たな手法をもってより重層的な絵画表現を生み出しています。その幻想世界のなかに、私たちがその先に起こるであろうさまざまなシーンを予感させ、新たな気づきをもたらします。本展ではHonggah Museum(台北)で出展された大作含む、近・新作を一堂に発表します。