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ジュリオ・ル・パルク 「ル・パルクの色 遊びと企て」

銀座メゾンエルメス
終了しました

アーティスト

ジュリオ・ル・パルク
エルメス財団は、ジュリオ・ル・パルクの日本での初個展となる「Les Couleurs en Jeu ル・パルクの色 遊びと企て」を開催いたします。
1928年、アルゼンチンに生まれたル・パルクは、1958年にフランスへの移住以降、同地を拠点に制作を続けるアーティストです。ピート・モンドリアン(1872-1944)やロシア構成主義に大きな影響を受け、幾何学的な抽象画の制作を始めます。1960年代には、ヴィクトル・ヴァザルリ(1906-1997)の作品への共鳴や、視覚芸術探究グループ(GRAV)をオラシオ・ガルシア = ロッシ、フランソワ・モルレ、フランシスコ・ソブリノ、ジョエル・スタイン、イヴァラルとともに結成するなど、アーティスト同士の協働による活動も並行して推進します。GRAVは、視覚的錯覚あるいは動力を用いたキネティック・アートや公共の場における観客参加を促す作品を通じて、従来の美術作品の枠組みや鑑賞方法を覆すような体験を社会に提案しました。当時の革命的な時代の熱気の中、ル・パルクも政治的な運動にも身を投じながら、芸術が限られた人々のみに享受されることや鑑賞者が受動的な立場にとどまることに疑問を投げかけ、視覚的遊びやゲームの要素を用いることで、誰もが平等に芸術に参加してほしいという願望を形にしてゆきました。

ル・パルクの日本での初個展となる本展は、70年を超える継続的な制作活動の中でも、常に鮮明な印象をもたらす「色」を主題としてとりあげます。アーティストは、黒と白、そのグラデーションを出発点に、1959年より自ら構想した14色のみを用いた作品を展開してゆきます。その作品群は、色彩論のように色を解析するのではなく、色を幾何学的なフォルム、あるいは可変性のメタファーとしてとらえるもので、シリーズごとに色の配列を設定し、回転や反復、分割などのヴァリエーションを探究することで生まれました。色の諧調や変容のメカニズムを見極めながらも自在に扱うことは、ル・パルクにとって色の可能性を要約する試みであり、光や動きをとりこむモビールなどと並行して継続する重要なシリーズとなりました。

本展では、アーティストの問題意識に迫るため、初期のモノクロ絵画や色彩探求のドローイングから始まり、代表作である《La Longue Marche(ロング・ウォーク)》や《Lames réfléchissantes(反射ブレード)》、またGRAVの時代から展開してきたモビールの新作までを紹介いたします。また、展示はファサードやウィンドウ・ディスプレイ、エレベーターにもおよび、20周年を迎えるメゾンエルメスのビル全体を使いながら、ル・パルクが目指す鑑賞者との開かれた出会いに挑みます。色を通じて希求された彼の試みや企て、また遊びの要素を通じて、92歳となる現在も精力的に制作を続けるル・パルクとの出会いをお楽しみください。
[ファサード展示] 2021年7月29日(金)~10月中旬予定

スケジュール

2021年8月13日(金)〜2021年11月30日(火)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
毎月第2、第3水曜日は休館
備考
開廊時間 11:00〜19:00、10月27日・11月20日は休館、10月28日は18:00まで
入場料無料
展覧会URLhttps://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/210813/
会場銀座メゾンエルメス
https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/
住所〒104-0061 東京都中央区銀座5-4-1
アクセス東京メトロ銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅B7出口直結、JR山手線・京浜東北線有楽町駅日比谷口より徒歩7分
電話番号03-3569-3611
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