終了した展覧会・イベントです
[画像: 鍵豪「蒸発と結晶のエチュード -原野- #3」 103x103cm giclee print on japanese paper (c) Takeshi KAGI 2021]

鍵豪 「蒸発と結晶のエチュード」

Gallery OUT of PLACE
終了しました

アーティスト

鍵豪
6年間の沈黙を破り鍵豪が新作(異なる2つのシリーズ)を発表します。鍵は、2015年奈良市学園前で開催されたアートイベントへの参加を最後に忽然と関係者の前から姿を消し、長く音信が途絶えたままになっていました。

しかしメンタルヘルスのバランスを崩し他人との接触が思うようにできなくなっていた中においても、作家は毎日のように近郊の森や林に出かけ、その日フィルム1本を使い切るまで地を這い魂が磨耗するほどに彷徨いシャッターを押し続けていたとのことです。気づけばいつしか大量の未現像のフィルムが自宅に積み上がっていました。(鍵は現在も中型フィルムカメラを使用しています)

その後、その大量のフィルムを現像し、写された風景と意図せず写ってしまった「何か」を丹念に見直す作業を通して、鍵は作家活動を再開するモチベーションを見出し、心身の健康を取り戻していったと言います。この野外を彷徨いながら撮影されたものから抽出し結晶化したものを、「蒸発と結晶のエチュード -原野- 」として今回発表することになりました。

もう一つのシリーズは「蒸発と結晶のエチュード -器- 」と名付けられたもので、「原野」のシリーズが野外で撮影されたのとは対照的に、こちらは完全に屋内で制作されたものです。ある知人からの依頼で始めたガラス器のポートレートは、撮影を重ねるごとに、全く別の意図やコンセプトが作家の内面に沸き起こったと言います。目の前に存在する透明の器たちは、美しくも軽く卑小で壊れやすく、いずれは消失するはかない存在。それは同時に、生きとし生けるものたちが今そこで息づく「地球」という惑星そのものと等価ではないか、という気づきです。

よく見ると撮影されたガラスやプラスチックの器には、少量の水や液体が入っています。水はいずれ蒸発し、器は空っぽになります。しかし言い換えれば蒸発とは、液体に溶けていた物質が器の中で結晶化し痕跡を残す過程であるとも言えるでしょう。果たして鍵が写す器は、肉体と精神のフォルムを連想させ、地球環境のはかなさを示唆しているのかもしれません。。
鍵豪による6年ぶりの2つの新作をどうかこの機に、ご高覧ください。

スケジュール

2021年9月3日(金)〜2021年10月10日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日
イベント期間以外は事前予約制

オープニングパーティー 2021年9月4日(土) 18:00 から 19:00 まで

入場料無料
会場Gallery OUT of PLACE
http://www.outofplace.jp/
住所〒630-8243 奈良県奈良市今辻子町32-2
アクセス近鉄奈良線近鉄奈良駅7番出口より徒歩5分、JR奈良駅東口より徒歩7分
電話番号0742-26-1001
関連画像

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