ギャラリー本城中村彩果は1977年生まれ、女子美術大学絵画科を卒業いたしました。
中村は毎日、日記をつけるように、そして、誰にも出すあてのない手紙を書くように、絵を描いています。彼女は自分自身のことを、身体は物体としてあるのですが、中身が何もないよう
な感じがする、と言います。このどうしようもない空虚、不安に対して彼女が出来ることは、日記をつけるように毎日、絵を描くことしかありません。彼女の作品に登場するのは、彼女自身と、彼女の想像上の友達です。彼らは、砂丘、雨雲の浮かぶ空、夜の森や湖など、作家の心象風景の中で、空(くう)をみつめ、寄り添い、うずくまっています。色調が穏やかで、モチーフのたたずまいが静かであるため、作品は一見おとなしい印象です。ですが、何度も観るうちにしみじみと染み入るような、不思議な味わいがあります。中村の作品は、決して寂寞とした救いがたい印象ではなく、どこか温かさや透明感が感じられます。これは彼女自身が、自分の描いた絵の中に入りたい、絵の中だけが自分の安心できる場所だから、という思いで描いているからではないでしょうか。
今展覧会では、2003年から現在までのキャンバス・紙の作品約30点を、彼女の詩とあわせて展示致します。どうぞこの機会にご高覧下さいませ。
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