東京都美術館19世紀末に生まれて一世を風靡した芸術様式「アール・ヌーヴォー」に続き20世紀モダンの象徴として登場した「アール・デコ」は、2度の世界大戦間に花開き、交通手段の発達にともない急速に世界中に広まっていきました。
アール・デコ様式では、アール・ヌーヴォー時代の装飾芸術振興運動の理念と大量生産時代に突入した社会にふさわしい合理性がせめぎあい、美術だけではなく多種多様な分野に影響を与え、その影響は今日に至るまで続いています。いわば芸術と産業が融合した現代の生活様式の原点ともなったのです。
この展覧会は、2003年春にロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で立ち上がり、カナダのトロント、米国のサンフランシスコ、ボストンを巡回した「アール・デコ 1910-1939」展をもとに、日本で独自の視点を加えて再構築した展覧会で、世界の名品に国内作品を加えた約200点で構成されます。
曲線的な「アール・ヌーヴォー」に対する幾何学的な「アール・デコ」、といった単純な様式概念にとどまらないアール・デコの多様な特質を、その影響源から始めて、開花、そして世界への広がりに至るまで、絵画、彫刻、建築、インテリア、ジュエリー、ファッション、大衆文化を含めた広範な視野で紹介。ルネ・ラリックのガラス作品、カルティエのジュエリー、シャネルのドレス、タマラ・ド・レンピッカの《電話Ⅱ》といった油彩画など....。まさに「アール・デコ展」の集大成といえる展覧会です。
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