コンラッド・メイリとかくちゃん:二人が描いた「1948年のスケッチブック」展

アンスティチュ・フランセ東京
終了しました

アーティスト

コンラッド・メイリ
コンラッド・メイリ(1895-1969)は、フェルディナント・ホドラーに師事し、厳格なデッサンと美しい色感を身につけ、エコール・ド・パリの画家の一人として活躍したスイス人画家である。1939年8月、日仏文化振興会の招聘により、日本の風物を描きヨーロッパに紹介するため、3ヶ月の滞在予定で来日することとなった。作家であり、日仏混血の妻キク・ヤマタと共に船出したが、二人は紅海上で第二次世界大戦の開戦を知ることになる。滞在を延長したものの、翌年ドイツ軍の攻撃によりあっという間にパリは陥落、しばらく日本に留まることとなった。
かねてより日本に憧れていた彼は、どんな時も日本の自然と芸術を愛し、鎌倉・長谷の日本家屋に暮らし、絵を描き、俳句を作り、日本の画学生たちに西洋絵画の技法を教え「メイリ先生」として多くの弟子に慕われた。しかし、画家としての円熟期を貧困・差別・スパイ容疑による不当な投獄、と戦時下の過酷な運命とともに生きていた。
終戦後しばらくして、『みづゑ』など美術誌に評論を書いたり、高浜虚子に師事し『ホトトギス』に俳句を発表したりしていたが、貧しいことに変わりはなく、思うように画材も買えず、帰国の目途も立たなかった。ちょうどその頃、彼の家の隣りに東京大空襲で家を失った一家が引っ越して来た。その家にはかくちゃんという4歳の女の子がいて、いつもひとり絵を描いて遊んでいた。やがて、6歳になるとかくちゃんはコンラッド・メイリの弟子になる。
アトリエの畳の上にペちゃんと座って、かくちゃんはスケッチブックを開く。
コンラッド・メイリとかくちゃん
「あったかいのいろぉ。つめたいのいろぉ。」「だんだぁん、だんだぁん。」彼はユニークな響きの日本語で寒色と暖色の関係を熱心に教え、描き終わると色鉛筆を虹の色の順番に並べさせた。彼は決してかくちゃんをこども扱いしなかった。会話は必要なことだけで、レッスンの終わりにモチーフに使ったりんごやももの実をひとつ小さな手に持たせるのだった。慎ましやかなモチーフで、二人は寄り添い色彩豊かな60枚の絵を描いた。
そうして1年がたった頃、国際振興会から旅費が支給されることになり、1949年2月、彼は10年の歳月の果てに帰国の途についた。
「かくちゃん 絵を描く—。」そういってコンラッド・メイリは笑った。
二人が描いた色鉛筆の絵とコンラッド・メイリの作品を当時の貴重な写真や資料とともに展示する。
これらの絵は日常に宿る平和をとても静かに唄っている。

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スケジュール

2006年3月17日(金)~2006年4月27日(木)

開館情報

時間
09:3020:00
月曜日は12:00から
土曜日は19:00まで
日曜日は18:00まで
休館日
祝日
入場料無料
展覧会URLhttp://www.ifjtokyo.or.jp/culture/exposition_j.html#MK
会場アンスティチュ・フランセ東京
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/
住所〒162-8415 東京都新宿区市ヶ谷船河原町15
アクセスJR総武線飯田橋駅西口より徒歩7分、東京メトロ有楽町線・南北線・東西線飯田橋駅B3出口より徒歩7分、都営大江戸線牛込神楽坂駅A2出口より徒歩7分
電話番号03-5206-2500

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