東京都写真美術館ベトナムは抗仏戦争(第1次インドシナ戦争)を戦い、1954年に解放されます。 しかし、ジュネーブ協定では南北に分断されました。そこから始まった分断国家の悲 劇はアメリカが介入したベトナム戦争へと続き、激しい戦闘が繰り広げられました。 1975年、北ベトナムと南ベトナム解放戦線が、当時の南ベトナムの首都サイゴン (現ホーチミン市)に無血入城して終幕を迎え、統一が実現したのです。その間、多 くの命が犠牲になりました。米軍の死者だけでも5万人を超えています。ベトナム人 にとってもその後の復興の道のりはとても険しいものでした。 しかし、この戦争は戦争報道という面から、歴史上例を見ないほどの量と質の報道 がなされました。世界中から多くの報道関係者がベトナムに集まり、命を賭して最前 線へ赴き、筆を走らせシャッターを押したのです。そこからピュリツァー賞をはじめ 多くの賞を得ました。その作品の数々は30年以上を経ても決して色あせることがあ りません。それは、ジャーナリストが真正面から戦争というものを見つめ、報道した からにほかなりません。今、改めてその成果を見つめ直し、その後も地球上からなく ならない紛争の愚かさと悲惨さを再認識させる展覧会です。 今回の展覧会ではあまり紹介されることがなかった北ベトナムの写真家が撮った写 真を多数発掘し展示します。北ベトナム側のカメラマンの死者が200人を超えてい たことも分かりました。南ベトナム側の写真の中からは日本人やアジア人の代表的写 真家にしぼり写真を展示します。南北両面からベトナム戦争を見つめ直す画期的な展 覧会です。戦争とその場に立ち会わざるを得なかった人々の姿を余すことなく伝えます。
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