SCAI X SCAIこのアーティストの作り出す糸を編み込んだような繊細なインスタレーション作品は、身近な人、不特定な他人を問わず、いずれにせよ誰かが身につけていた下着や服などを最小限に解きほぐし、編んだり繋げたりして再構築されたものです。制作スタイルは、何かを消し去る、という創造と正反対のスタンスから生まれ出ています。人の皮膚(境界)に触れていた衣服をほどいてゆくことで、その人の持っていた記憶や歴史を解体していき、極めてシンプルで普遍的なものへと変換し、いわば顔のない肖像を作り出しているのです。そして出来上がった作品を見る私たちは、元の衣服の形や持ち主を自在に想像し、存在や記憶のはかなさと強靱さを改めて考察することとなります。
本展では、SCAI X SCAIのコンパクトながら表情のある空間にあわせて制作された、古着の下着を使った新作インスタレーションをメインに、新たな素材を使用したオブジェ等もお目見えする予定です。これからの意欲的な活動が期待される新鋭、平野薫の本個展をぜひご覧ください。
【画像: 「Untitled -skirt-」 2006年、日仏学院】
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