アンスティチュ・フランセ東京本展では、造形作家で、書籍-オブジェ(ポートフォリオ)の企画者、クレール・シュアンの最新作「プロヴァンス」「日本」を紹介する。
この「書籍-オブジェ」はポートフォリオあるいは旅日記とも呼ばれ、Elément d'Edition 社から999部限定で「五行叢書」の中で出版されている。
フランスと日本で撮影された20点の未発表の写真作品も展示する。写真家としての仕事、美術出版の仕事を分けるためでもある。ここでは主なテーマとして水、木、土が展示されており、作品は自然の要素を喚起させる。オリジナルな形の作品と技法などを分りやすく見ることができるように作品を一枚ずつにばらしたものをケースに展示する。ポートフォリオの自然の要素をテーマにした羊皮紙のシートも展示する。
クレール・シュアンは作品の製本、製作のすべてを手がけている。
技法と紙:さまざまな意味でユニークなこの旅日記について
旅日記を特徴付けるのは、それぞれのシートの印刷技術と書籍-オブジェとしての手作りの作品ということだ。書籍愛好家のための本と昔の版画の小箱の中間のような、これまでに無い技巧をほどこしたこの旅日記は現代の技術を使った美術出版の職人仕事と伝統的な印刷技術の出会いの賜物である。
それぞれのオリジナル写真は、版画やリトグラフに最もよく使用される自然の繊維(綿やその他の繊維)だけでできた250グラムから300グラムの紙にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で印刷されている。伝統的な技による手仕事で制作された紙は版画に良く使われる。異なった色を重ねる時にはそれぞれの版を乾かすのに特別な注意が払われる。チャの繊維や、海草などをベースにした紙、羊皮紙、さらには展示されている箱の国で製作された紙など、珍しい紙を使って手仕事で作られた箱の中に製本されて入っている。
ポートフォリオ「日本」の遊紙には日本の伝統的な紙が使用されている。作品毎の違った和紙はこの「日本」に、殆ど比類が無いといってよいほどの特徴を付与している。
クレール・シュアンを囲んで(通訳付き/ドリンク・サービスあり)
5月31日(土)15時30分~17時30分
学院ギャラリー2階
同時開催
クレール・シュアン写真展「屋外で」
5月12日(月)~6月1日(日)
国連大学本部2階UNギャラリー(渋谷区神宮前5-53-70 TEL:03-5467-1212)
入場無料
主催:国連大学