小山登美夫ギャラリー六本木福居伸宏が最初に発表したシリーズである『Trans A.M.』(2005年)は、午前0時から3時の間に撮影された都市の光景でした。以降福居は、このモチーフを対象に制作を続けています。
「今日、人々の視覚経験は、直接的にも再帰的にもメディアから大量供給される映像と情報に規定されています。敷衍して言えば、人が何を知覚するのかは、『もの』ではなくメディアによるということです。そうした状況にある人々が、私の写真に感染することで、何を見るのか、何が見えるようになるのか、ということに興味があります」と語る作家は、私たちが普段見ているようで実は見過ごして来ているものを、くまなく画面へ再現することが写真の持つ可能性ではないかと指摘します。
隅々まで焦点の合った風景は、「真夜中」というイメージを覆すかのようなリアリティで浮かび上がり、異様な迫力で私たちに迫って来ます。写真というイリュージョンを使いながら、そこに写し出されるのは、私たちのメディア化された知覚・認識を越えた、圧倒的な風景なのです。
展覧会タイトルの「ジャクスタポジション」とは「並列」の意味です。都市空間を様々なポジションから縦横無尽に捉えた夜の風景は、あたかも最初から1枚のパノラマ写真としてつながっているかのように展示されていきます。本展では新作の『Juxaposition』と、『Multiplies』(増殖)の2シリーズを、合わせて約20点展示致します。「何度見ても新たな発見があるような作品を目指したい」と言う作家の初個展を、是非この機会にご高覧ください。
オープニングレセプション: 3月8日(Sat)、18:00~20:00
[画像: © Nobuyuki Fukui, 2008]
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