ギャラリー・ストレンガー本展は、次世代の若手日本人作家にスポットを当て、ギャラリー・ストレンガーで展覧会を開催、その後海外での発表の機会を作っていきたいと願う「Strenger Project」シリーズ第1弾。ヨーロッパと日本をアートで繋ぐ掛け橋になりたいと願うギャラリー・ストレンガーの、初の試みです。記念すべき本シリーズ第1回目を飾るのは、アートソムリエ山本冬彦氏の推薦による、杉田陽平と卯野夏子による二人展です。
杉田陽平は、1983年、三重県生まれ。写真や雑誌の切抜きをモチーフに、静けさに満ちたアウトフォーカス気味の油絵を発表してきた彼の作風は、ここ2、3年で大きく変化しました。たっぷりと絵具を用い、力強く、エネルギーにあふれたカンバス。推薦者の山本氏は、「まさに静から動への転換」、とこの変化を表現しています。実はこのエネルギッシュなカンバスは、あらかじめアクリル絵の具で「絵の具の皮」(作家称)を作り、それらを何層にもわたってコラージュして構成していくという、彼独自のスタイルを確立しつつあります。また杉田は、「絵の具の皮」は、幼少期に患っ
た皮膚炎の痕跡でもある、としています。つまり、彼にとって絵具のコラージュは、自らの経験や思いを貼り合わせていく作業でもあるのです。
一方、「忘れられてしまう日常のできごとを表現したい」と語る卯野夏子は、1987 年東京生まれ、多摩美術大学3年生。高校在学中から、油彩、テンペラ、銅版画など、
さまざまなメディアを駆使して独特の静けさ、まるでオルゴールの蓋を開ける瞬間に奏で出す音にも似た空間を表現してきました。昨年度は、"via art 2007"(ダイヤ
モンド経営者倶楽部主催) に運営サイドとして関わるなど、積極的な社会活動にも携わっています。本展においては、箱の中に日常の一コマを切り取り、石膏にアクリルで淡々と描き込んだ作品などを寄せています。見慣れているはずの日々の風景と物事の関係性やバランスが、確かなリアリティと同時にそれと相反する非日常性を孕んで立ち上がり、卯野独特の世界観を見せつけます。
アーティストレセプション: 7月11日(金) 18:00~20:00
[画像: 杉田陽平 「悲しみの家に静かに美しく咲きて」 (2008)]
まだコメントはありません