マジカル アートルーム刻々変化する光が留められた平面。その変化の理由は、視線と光、平面の位置が絶え間なく動くため。絵画とみる人、そして光の位置の関係により浮かび上がるイメージ(イリュージョン)そのものを彼はつくっているともいえます。「スペクトル」 (spectrum)を描くとき、特殊なアクリル絵の具で彼は、まず光彩のラインを、そして次に波をつくり、さらにその上に刷毛目で一つ一つ、格子状のグリッドをつくっていきます。それは運動の軌跡であり、反復と差異であり、必然と偶然の織物ともいえます。そうしてできたフラジャイルな平面を、今このときしかない光の中で、条件のなかでみる奇蹟。そうした体験ができる作品といえます。
今回の個展においては、magical, ARTROOMでは新作の抽象絵画を5点出品します。グリッドの中に明細筆で息をひそめながら一筆描きでつくった螺旋状の筆跡が、一つの作品に約250個あつまったものです。一つとして同じものはなくまた、集約されたときに一つの大きな円にみえるような、まるで現代の曼荼羅のような壮大な作品です。銀閣寺の築山を彷彿とさせながら同時に、現代ならではのモニターの光、ピクセル感も思い起こさせます。一つの作品として対峙したとき、一種の光の渦に包まれるような、あるいはのみこまれるような、目眩を覚えるような崇高感あるいはグルーヴ感を覚えます。いわば彼の「光の場」の中に組み込まれるわけです。
SCAI THE BATHHOUSEでも同時開催
3月6日(金)~4月4日(土)
[画像: 「Spiral」(2009) acrylic on cotton and wood panel, 180 x 180cm]
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