茨城県近代美術館福岡県出身の冨田溪仙(1879-1936)は,画家を志して18歳頃に京都にのぼり,四条派に連なる都(つ)路(じ)華(か)香(こう)に師事しました。四条派の写生を学ぶ一方で,古今東西の文学や美術,宗教などに通じ,また江戸時代の博多の禅僧・仙崖(せんがい)やヨーロッパの新しい美術などの影響も受けながら,やがては自在な筆遣いによる大らかで斬新な画風を形作っていきます。
溪仙の回顧展は,関東では約30年ぶりの開催となります。本展では,初期から晩年までの代表作を網羅し,約120点により溪仙の画業とその多彩な個性の発露をご紹介します。また,溪仙と交流のあったフランスの詩人で駐日大使も務めたポール・クローデル(1868-1955)の依頼によって描かれ,現在はパリのジョルジュ・ポンピドゥー・センターに所蔵されている「神庫」がこのたび里帰りをするのも,大きなみどころのひとつです。どうぞこの機に,風雲児・冨田溪仙の自由奔放な絵画世界をお楽しみください。
関連イベントに関してはウェブサイト上でご確認ください。
[画像: 冨田溪仙 沖縄三題 大正5年(1916)絹本彩色・軸装 福岡市美術館蔵]
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