FUJIFILM SQUARE室生寺は、戦前戦後を通じ、土門拳が40年通い詰め、代表作『古寺巡礼』の原点となった、奈良県宇陀市の山寺です。土門拳は「はじめてお寺に行ったのは、昭和14年12月の暮れ、奈良の室生寺が最初」と自伝に記しています。南大和の山あいにひっそりと建つ室生寺。そこで弥勒堂の釈迦如来坐像に出会ったことが、その後の長い古寺巡礼の始まりとなります。平安初期のどっしりと量感豊かな木彫仏。土門が「日本第一の美男の仏像」と惚れ込んで撮影したその写真は、彼の代表作のひとつとなりました。昭和21年、焦土の東京から室生寺を訪れた土門は、変わらない寺のたたずまいに心打たれ、食糧難の時代に苦労して写真材料を集め、室生の里に通い詰めました。こうして昭和29年に写真集『室生寺』を刊行します。そこには土門を魅了した美しい里の風景も写し留められています。本展は、土門拳の初期の代表作のひとつである写真集『室生寺』に収録された49点の作品を、2回に分けて展示致します。土門拳が終生愛してやまなかった室生寺。その出発点となったみずみずしい作品をぜひお楽しみください。
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