ニコンサロンbis作品は、作者の祖父を写したものである。撮影地は祖父母の家がある福島県二本松市。作者は幼い頃からこの地を訪れ、学生の時にはカメラを持って行くことが多かった。しかし、祖父の記憶の中から作者が消えていくように思われる頃から、作者はカメラを祖父に向けることが多くなった。初めて会う人と話すように作者と話す祖父。しかし作者は、家族以外の人には見せることのない表情をファインダー越しにみつけ、今まで見たことのない祖父の姿を写真の中にみつけると、祖父の中の作者は消えてしまったのではなく、新しい孫(作者)として、祖父の中で生まれ変わっているのではないかと思うようになった。
それはまるで“代謝”するかのようである。そう気づくと、作者は幼い頃によく訪れたこの地の風景、山や草、風、虫、日の色、季節も月の満ち欠けも、人も写真の中も“代謝”しているように思うようになった。この写真は私的なものだが、これは作者自身のドキュメンタリーである。
関連イベントあり。詳細はHPをご覧ください。
まだコメントはありません