ミヅマ・アクション石井の初期の作品は、ヒップホップカルチャーの一要素であるグラフィティに影響をうけたモチーフでした。その後イギリスのチェルシーカレッジオブアートアンドデザインへの留学を経て、客観的に日本とそこから紡がれてきた伝統技法、自らの作品を真摯に見つめ直しました。そしてモチーフは現代日本社会の象徴 “サラリーマン”、そして今回はそこからさらに視野を広げた“都市”へとテーマが移り変わりました。いずれも作家が日常生活を通して見つめた現代社会が反映されています。かつて尾形光琳、葛飾北斎は伝統技法を用いながらも当時の社会を取り込み、過去にない大胆華麗な絵を描くことにより革新的な名作を生み出しました。石井は日本美術の文脈を築きあげてきた先人達の意思を引き継ぐように、伝統を乗り越え新しい普遍的な価値を創り出していくことに挑戦しています。
伝統工芸を現代美術へ転換するという独自の切り口で、世界でも評価される革新的な芸術を志す石井。未来を担う若手作家の、不況にも打ち勝つほどの強いエネルギーに満ちた本展を、是非ご高覧ください。
[画像: 「土工」(2010) 友禅染、絹、パネル、99x165cm 撮影:宮島径]
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