PGI石元泰博写真集「両界曼荼羅—東寺蔵 国宝『伝真言院両界曼荼羅』の世界」(平凡社刊)の刊行にあわせて作品展を開催致します。1973年に京都東寺(金光明四天王教王護国寺秘密伝法院)にて撮影され、1977年に平凡社より写真集「伝真言院両界曼荼羅」、西武美術館にて写真展「石元泰博写真 曼荼羅展」として発表されました。東寺の両界曼荼羅は彩色の両界曼荼羅図としては現存最古のもので、金剛界曼荼羅、胎蔵界曼荼羅の二幅から成っています。国宝でもあるこの両界曼荼羅は、東京国立博物館で開催された「空海と密教美術展」で公開されたことも記憶に新しいことと思います。約180x150cmの大作を、石元は4x5判と6x6判のカメラを使って約2週間で5000カットを撮影し、緻密な細部、マチエールを写し出しました。また、1977年発刊の写真集の印刷にあたっては、曼荼羅が描かれた当時の色の再現を意図したと言います。石元は、全体を構成する細部に踏み入り写すことで、全体が表す世界を見せたこの作品について、人生観の転換点となったと語っています。仏教、そして仏教美術の『わび』『さび』から連想される禁欲。その反対側にあるエロス。石元は、「エロス」が無ければ物は生まれないのでは、という思いが出発点となり、「エロスあふれる菩薩のアップ」を撮り始めたと言います。
肉眼で見るよりもレンズを通してファインダーに現れる像に魅せられ撮影したと言うこの「両界曼荼羅」は、インドから中国、朝鮮、日本と渡った仏教のロマンを写し出してもいます。本展ではカラープリント作品約30点を展示する予定です。
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