町田市立国際版画美術館大自然は時に人知をはるかに越え、猛威をふるいます。今、私たちはその事実を深く受け止めながら、未来に向けて歩みだそうとしています。そんな時、あらためて、自然のなかに大いなる驚異を見出し、表現へと昇華させてきた人類の営みを振り返ります。
はるか昔、珍しいもの、不思議なものをたくさん集めて一堂にならべたい!そんな欲求を抱いた人々がいました。その飽くなき好奇心を満たすべく作られた部屋が「驚異の部屋」。珍しい動物の剥製や貝殻、鉱物や植物から宝石や美術品まで、あらゆるものを競うように集めたその陳列室は博物館や美術館の始まりでもありました。本展では15~18世紀にヨーロッパで流行したこの「驚異の部屋」の精神にならい、その雰囲気を版画で構築します。もちろん版画だけで往時の「驚異の部屋」が作りだせるわけではありません。そのかわり、版画の世界の広さ、奥深さを垣間見せてくれる変り種を多く展示します。解剖図や動物図譜などの自然の驚異、怪異な空想の生き物など、あっと驚くような版画や書籍約200点が大集合します。描かれた事物の珍奇さと、精緻な技法や美しい多色刷りの素晴らしさがあいまって、版画の世界の広さや奥深さ、その魅力をアピールしてくれるでしょう。美しいものを鑑賞するという美術館で過ごす時間は、私たちの心に「うるおい」や「ゆとり」を生み出します。でもこの展覧会はそれだけではありません。見る人の好奇心を刺激し、脳を活性化する、まさに≪脳に効く≫展覧会なのです。
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