サントリー美術館軽やかで繊細優美なヴェネチアン・グラス。その芸術性は1450年頃に開発された無色透明ガラス「クリスタッロ」の誕生と、都市経済の繁栄を背景に、大輪の花を咲かせました。エナメル彩、ラッティモ(乳白色ガラス)、レースグラス、アイスグラス等、その多彩な手わざには目を奪われるばかりです。装飾性豊かな珠玉のガラスは、ヨーロッパ各国で王侯貴族や富裕層の羨望の的となりました。
秘密保持、あるいは火災の拡大防止のため、ムラーノ島に限って行なわれていた制作技術も、周辺諸国の求めに応じ、次第に流出を始めます。そして模倣と地域性との狭間で生まれた「ヴェネチア様式」は、16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパを席巻したのです。国外への伝播は西洋に留まりません。南蛮船の渡来によって日本にもたらされたその瀟洒な美しさが、和ガラスの誕生にも少なからず影響を与えたと考えられています。
ヴェネチアン・グラスは、今なお、見る者すべてを魅了し続けています。本展では、ルネサンス期の作品から、影響を受けたヨーロッパや日本のガラス、そしてそのエッセンスを引き継ぐ現代グラス・アートまで、約140件の優品をご覧いただきます。時を超え、海を越えて、人々の心を捉え続ける「あこがれのヴェネチアン・グラス」の魅力をご堪能ください。
■関連プログラム: トークライブ 「ヴェネチアでの制作現場から」
講師: 植木寛子氏(Hiroko Art Glass/アーティスト)
モデレーター: 土田ルリ子(当館学芸副部長)
日時: 9月23日(金・祝) 14:00~15:30
対象: 一般
定員: 100名
聴講料: 700円(別途要入館料)
応募締切: 9月2日(金)
*美術館ホーメページからお申し込みください。
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