佐野美術館昭和初期の人形芸術運動の中心として活躍し、戦後はその卓越した技術と独特の造形美によって、人形界で初めての重要無形文化財保持者に認定された平田郷陽の、歿後30年を記念する大回顧展です。
郷陽は明治36年(1903)東京浅草に生まれました。父初代郷陽は、まるで生きているかのような人形を作り上げる生人形(いきにんぎょう)師であり、郷陽も父からその技術を厳しく仕込まれました。22歳で父の跡を継ぎ、昭和2年(1927)には日米親善答礼人形(いわゆる“青い目の人形”への返礼人形)を作って高い評価を得ました。その後、創作人形作家として独立した郷陽はさらに精進を重ね、絶対の自信とともに旺盛な創作意欲をもって果敢に人形制作に取り組みました。中でも、清潔な色香あふれる女性の姿や、生き生きとした子どもの人形などにその本領を発揮し、他の追随を許さぬ独自の人形美を確立しました。
本展では、初期に制作された生人形の技法による驚くべき精緻な作品から、戦後の豊かな造形美を追求した作品まで代表作約100点を展示し、偉大なる人形作家・平田郷陽の全貌をひもときます。
平田郷陽の人形展会期中イベント
■講演会/シンポジウム
「平田郷陽と人形芸術運動―郷陽歿後30年・帝展人形進出75年」
日時:6月11日(土) 13:30~16:50
★講演会
「平田郷陽の作品とその心」
講師:坪井則子(佐野美術館学芸グループ長)
「生人形から人形芸術へ―平田郷陽の挑戦―」
講師:田中圭子(東京藝術大学大学美術館学芸研究員)
[画像:「抱擁」(1966)]
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