家族も友人もなく、天涯孤独に生きたヘンリー・ダーガー。彼はその侘しい実生活を棄て、自身が夢想した物語『非現実の王国で』の中で生き、そこで起った出来事を、生涯を賭して記録しました。
ダーガーにとって『非現実の王国で』を綴り描くことは、人に見せるためでも、余暇の楽しみでもなく、生きることそのものでした。この特異な創作は、下宿先の大家夫妻によって偶然に発見され、彼の死後、人々の目に触れることになりますが、その不可思議な世界観と強烈な表現欲求は観る者を圧倒し、魅了し、心を捉えて離しません。
本展は、最新の研究成果のもと、ヘンリー・ダーガーの実人生と『非現実の王国で』を解き明かすことを試みる企画展です。会場は、ダーガーの幼少期にフォーカスをあてる[Early Days]、ダーガーが興味を抱いていた事物を紹介する[Archeology of Henry Darger’s Room]、『非現実の王国で』の挿画64点を展示する[Welcome to the Realms of the Unreal]、自叙伝と本邦初公開となる遺品6点を紹介する[History of My Life]、著名人による[Hommage]という5つのセクションで構成。彼が人生の後半40年を暮した部屋から見つかった遺品や書き物を手がかりに、ヘンリー・ダーガーの虚実に迫ります。
[画像: 「キラキラ輝くブレンゲン。ボイ・キング・アイランズ。一匹は年若いタスカホリアン、もう一匹は人の頭をしたドロテリアン。」Collection of Kiyoko Lerner ©Kiyoko Lerner (2011) ]
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