LIXIL ギャラリー 1 & 2青くギラギラと光る鱗の群が目の前でグルグルととぐろを巻いています。幾重にも巻かれた胴回りは直径1mもありそうで、巻き込まれてしまいそうな恐怖のまま、その向こう側へ回っていくと、鎌首をもたげた大蛇の頭が現れます。チロチロと赤い舌をのぞかせ、青緑から金色に輝く鱗の1枚1枚が透きとおるようにそば立ち、まるで蛇のシューという音が聞こえ、生臭い匂いが立ち上ってくるかのような迫力です。
白井忠俊は、大蛇を描いた6面の油彩画を直径2.3m、高さ1.9mの円筒に仕立てました。名づけて「円筒絵画」です。白井の「円筒絵画」には「縄文土器」、「巨樹」、「循環」の要素がこめられています。「縄文土器」の縄目文様は2匹の蛇が絡まったイメージ、「巨樹」はツル、ツタの絡むジャングルのような古の森のイメージ、「循環」は古の森から今に続く生命の生々流転をイメージしています。時空間も森羅万象も大蛇に映し、流れる水のように爽やかで、強靭な生命力を感じさせる作品です。
白井は1972年生まれ、美術大学以来、油彩画を描いてきました。2006年に近隣の30年来放置されていた森に初めて入山した時の体験から、こうした作品が生まれました。ジャングルのような猛々しさ、藤の巻きついたグロテスクな樹木や美しい蛇の生きる森の壮大なイメージから、白井が引用し、考察する森林への観想は、神話のようにわたしたちの胸に響きます。今展では「山と蛇」をテーマにした新作を加え、3点をご覧頂く予定です。
アーティスト・トーク 1月11日(水) 18:00~19:00
[画像: 白井忠俊 (手前)「何を知りたかったのか忘れてしまった」(2010) 油彩 194 × 230 × 230cm ]
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