池田20世紀美術館1988年に池口史子はアメリカ北西部とカナダとの国境近くで、一つの幻想的な光景と出会います。その運命的な出会いが、画家池口史子の作品に大きく影響し、特異な個性をあらためて開花させることになります。この度の「池口史子展」は、その作風の転換期を示す90年代初めの作品から最近作までの流れを油彩、ドローイングを含め50点の代表的作品で辿り、他に類を見ない独特の感性と視点にあらためて迫り、その魅力を探ろうとするものです。
展示作品の主題は主に異色とも言える風景ですが、風景以前からの主題となっている花の作品もまた異色であり、それらが共に時代を追って展示構成されることで、池口史子の仕事の核心的な部分の推移がさらによく見えてくるように思います。池口史子の作品に漂うある種の寂寥感については作者も認めるところですが、人間のいない人間の風景の中にも、あるいはしなやかに生息する花々の中にも、不思議な光と色彩あるいはその影によって深められた情趣がそこに伴っていて、一作ごとの心の世界を味わい深く暗示してくれているようです。
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