GALLERY SPEAK FORパユン・ワラシャナナン氏は東京在住のタイ人。タイでは日本人作家の翻訳書を含むいくつものベストセラー書籍の装画で知られ、日本のカルチャー全般に造詣が深く、日本とタイを結ぶユニークな創作活動が注目を集めています。彼女の絵の魅力は、面と線で構成されるクールなグラフィック感覚。モチーフとなる人物や風景など、彼女の前にある視野は全て、グラフィックツールを援用した精密なカラーエリアの組み合わせへと再定義されます。そのうえで、柔らかい色彩感覚やフォルムの捉え方、細部に隠されたユーモラスな設計など、欧米や日本のクリエイターとは微妙に異なるオリエンタルなフェミニンさが最大の持ち味になっています。
本展はパユン氏にとって2年ぶりの個展です。前回は、日本ウォッチャーのアジア人として代官山の街を描いたシリーズでしたが、今回はタイ、バンコクが題材です。風景や静物、人や動物など、何気ないタイの日常的事物に着眼したスケッチ的な絵画ですが、欧米人から見たコロニアル趣味でタイを捉えるのではなく、外側にいるタイ人として、パッセンジャーのように情感を抑えたニュートラルな視点で洗われたタイの姿に、私たちの既成概念の鮮やかな転換を促す新鮮な美しさが宿っているのを感じていただけるでしょう。
描き下ろしを中心に、約30点あまりのキャンバスパネル作品を展示・販売いたします。また、パユン氏とつながりが深いタイのプロダクツブランド「PROPAGANDA」の商品も紹介・販売。パステルカラーを中心とした、ポップでユーモラスなデザイン雑貨の世界もお楽しみいただけます。本展テーマは、洪水によって深刻なダメージを受けたタイの姿に心を痛めた彼女が選んだものです。本展の売上げの一部は、タイ洪水の被災者支援活動に寄付されます。
【ギャラリートーク開催】
2012年1月7日(土)18:30~ 入場無料
作品解説=パユン・ワラシャナナン 聞き手=木村和博(soi music / ウィスット・ポンニミット氏マネージャー)
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