アート・ラボ・トーキョー/アサクサ今回の個展は人工の光がテーマだ。作家は、3.11が起こり「節電」が騒がれ街が暗くなったことに衝撃を受ける。
とりわけ毎日いくコンビニの照明が暗くなったことが印象的だったという。そこから、人工の光→夜景→蛍光灯の光、という明確なテーマができた。新作には、蛍光灯に照らし出された駅の売店が描かれる。
また、震災後、作家の中には、「ヴァニタス」のイメージが繰り返し現れるようになった。御存じ17世紀オランダ静物画では、「永遠に繁栄することはない」ということのメタファーから「ヴァニタス」がよく主題にされた。作家は東京の駅の売店にヴァニタスのイメージを重ね合わせる。高度資本主義社会は便利だが、それを維持することには様々な無理がかかっている。そこに現代の虚栄=ヴァニタスを見た。
作品「LUMINOUS」では、一見きらびやかではあるけれど、招福を意味する招き猫は割れていたり、お供物のような鯛焼きはかじられていたり、戸泉の的確な筆は忠実に、震災後の消費や繁栄の中断における虚ろな空気感を描き出すことに成功している。
[画像:戸泉恵徳 「LUMINOUS」(2011) アクリル、水彩紙 36×30cm]
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