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「シャガールとマティス、そしてテリアード 20世紀フランス版画と出版」

神奈川県立近代美術館 鎌倉
終了しました

アーティスト

マルク・シャガール、アンリ・マティス
20世紀を代表するフランスの画家シャガールとマティスは、ともに、色彩豊かな版画の作り手としても巨匠といえる作家です。その仕事を代表する版画作品とともに、彼らの版画出版を大きく支えた美術出版・編集者テリアードの仕事にも光を当てる展覧会です。20世紀は社会の階級や生活スタイルが大きく変わり、「豊かな生活」を求める人が増えた時代でもあります。この変化を受けて、多くの人が美術作品を所有したいと望むようになります。そのニーズに応えるように、かつてないほどの隆盛を誇ったのが、多色刷りで質の高い版画集の出版でした。 1点ものの絵画を持つのと同じような気持ちで、人々が豪華な版画集を手に取るようになったのです。巨匠といわれる作家たちが、こぞって版画集の出版を行い、それが更に版画集の質を高めていきました。この流れを最も強く支えたのが、美術本の出版を行い、編集者でもあったギリシア生まれのテリアード(本名 エフストラティオス・エレフテリアー デス 1897-1983)でした。シャガール、マティス、ジャコメッティ、ミロ、ピカソ、ルオーなど、巨匠といわれる作家たちと多くの仕事を一緒に手掛け、 彼らの版画集や挿絵本の出版はもちろん、自らが編集する雑誌『ヴェルヴ』にも、彼らの作品を高品質のリトグラフ図版で紹介しました。テリアードが 手掛けた美術本は、図版の再現性の質が非常に高く、作家との試行錯誤の精度も抜きん出ていました。その結果、単なる版画とも印刷ともつかな い、高品質の美術本が生まれていったのです。色彩豊かな絵画の巨匠として知られるシャガールやマティスも、テリアードの後押しによって豪華な版画集や本を出版した作家です。
マルク・シャガール(1887-1985)は、ロシアに生まれパリで活躍しました。油彩・版画・壁画・ステンドグラスなど、シャガールの仕事は多岐にわたりますが、特に版画には2000点を超える作品を残しており、自らも版画が重要なジャンルであったと語っています。シャガールの版画の代表作《ダフニスとクロエ》 と《サーカス》は、どちらもテリアードによる出版です。色の再現にこだわったシャガールは、1 つの作品に20ものリトグラフ版を用いました。アンリ・マティス(1869-1954)も、フランスで活躍した作家で、油彩・版画・ステンドグラス・切り紙絵と、多彩な仕事があります。一面に色を塗った紙を切り抜い た切り紙絵で原画を制作した《ジャズ》は、マティスにとって新境地を開いた作品でした。出版に際して印刷の再現性にこだわったマティスは、その印刷技法をテリアードと試行しつづけ、最終的にテリアードが提案したステンシル版で出版するまでに3年の時間を要しています。

■担当学芸員によるギャラリートーク
日時: 9月29日(土)、12月22日(土) 各回午後2時-3時 *申込不要、無料 (ただし展覧会の観覧券が必要です)

[画像: アンリ・マティス《『ジャズ』2 サーカス》1947年 神奈川県立近代美術館蔵(山口蓬春文庫)]

スケジュール

2012年9月22日(土)〜2012年12月24日(月)

開館情報

時間
09:3017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は開館
入場料一般 700円、20歳未満・学生 550円、65歳以上 350円、高校生 100円
展覧会URLhttp://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2012/chagallmatisse/index.html
会場神奈川県立近代美術館 鎌倉
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/
住所〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53
アクセスJR横須賀線「鎌倉駅」下車、徒歩約10分
電話番号0467-22-5000
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