19世紀後半の激動する東洋を駆け抜けた、漂泊の写真師フェリーチェ・ベアト。
インド、中国、日本、朝鮮、ビルマという19世紀後半に開国した国々のイメージを西欧世界に伝えた彼は、クリミア戦争、インド大反乱、第二次アヘン戦争、下関戦争、辛未洋擾など東洋における国際紛争を記録した、戦争写真のパイオニアとしても知られています。彼は戦争のリアリティとして戦場の死体を撮影した最初の写真家であり、パノラマ写真を含む建築写真や地形写真、アジア諸国の人々の肖像写真など多様な写真作品を欧米に提供した、多才な写真家の一人でもあるのです。
これまで紹介されてきたベアトの作品は、日本国内のイメージを中心とするものでした。しかし、2010年12月からロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館で開催された国際巡回展"Felice Beato:A Photographer on the Eastern Road"(キュレーター/アン・ラコステ)は、2007年にウィルソンセンターよりゲティ美術館へ寄贈された800点以上のベアト・コレクションから、彼のキャリア全体をカバーする視点で構成されており、多くの日本未公開作品が展示されました。その東京会場となる本展では、ゲティ美術館での展示作品に当館コレクションを加えた145点(予定)を展示。ベアトがその40年以上のキャリアで制作した写真作品を幅広く展示し、彼の"生涯"を概観する日本で初めての展覧会となります。
[画像 フリーチェ・ベアト 「長弓を持つ侍」(1863) Courtesy of the J. Paul Getty Museum, Los Angeles,Partial gift from the Wilson Centre for Photography.]
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