府中市美術館アーティスト
イ・インソン、チェン・チェンボー、安井曾太郎、藤島武二、ジュディ・オング 他
日本初の国(文部省)主催の公募展は、明治40年(1907)に開催された「文展」(後に帝展、新文展と改称)で、このような国主催の公募展は特に官展と呼ばれ、公募展の源流となっています。公設の公募展は、東京の文展(1907年)に続き、ソウル(朝鮮美展:1922-44年)、台北(台展・府展:1927-43年)また長春(満洲国展:1938-44年)でも設置開催され、多くの現地の作家が応募し、各国・各地域独自の美術が生まれる素地となりました。本展は、東アジアにひろがった公設の公募展の有り様を紹介し、公募展の始原を辿る日本初の展覧会となります。
それぞれの地の油彩画は日本の油彩画とは大きく異なります。まばゆい輝きを発する韓国のイ・インソン(李仁星)。どこまでものびやかな筆致と色彩の冴えをみせる台湾の陳澄波(チェン・チェンボー)。また紙や絹に墨や岩絵の具で描く、いわゆる日本画形式でも、その土地らしいモチーフもさることながら、突き抜けるような空間性はやはり日本のそれとはおのおの異なりをみせています。
東アジアの各国・各地域の出品作品と、日本に学んだ留学生や各地に審査員として赴き触発されて描いた日本の画家の作品など、93作家129点で構成いたします。東アジアの近代絵画を見直す絶好の機会であり、美術史に新たな一頁をきざむ必見の展覧会といえます。日本国内ばかりでなく、韓国国立現代美術館、リウム三星美術館、国立台湾美術館、台北市立美術館など各国・地域を代表する国公立・私立美術館等にご協力をいただき、66点もの名品を海外からご出品いただいて実現した大規模な企画展です。
※会期中、一部作品の展示替えを行います。
[画像: 安井曾太郎「承徳喇嘛廟」(1938) 愛知県美術館]
[講演会・ミニトークショー]
「初期朝鮮美術展覧会の画家たち」
日時: 5月17日(土)13:00~
講師: キム・インへ(韓国国立現代美術館)
「日本における官設美術展覧会について」
日時:5月18日(日)13:00~
講師: 飯尾由貴子(兵庫県立美術館)
「異郷の昭和美術 中国東北部の日本人社会と満洲国美術展覧会」
日時:5月18日(日)15:00~
講師: 江川佳秀(徳島県立近代美術館)
「20世紀前半の台湾美術」
日時: 5月31日(土)13:00~
講師: 薛燕玲(国立台湾美術館)
「木版画家 ジュディ・オング倩玉 ミニトークショー」
日時: 5月31日(土)17:15~(30分程度)
講師: キム・ヘシン(青山学院大学)
会場: エントランスロビー 入場時に本展チケットの半券が必要
※定員150名(応募多数の場合、抽選)。往復はがき(お一人様一枚)に住所・氏名を明記の上、5月15日(消印有効)までに美術館トークショー係へ申込。
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