URANO淺井裕介(1981 年生まれ)は、目に映る身の周りすべてのものを素材とし、いつでも絵を描き続けています。 例えば、制作地で採取した土と水で描く「泥絵」、まるで植物のように壁に貼られたマスキングテープの上にマーカーペンで描いていく「マスキングプラント」、道路用のシート状になった白線素材を地面に焼き付ける「植物になった白線」など、そのいずれもが“絵を描く”手法として用いられています。 特徴的でありながらそれらが難解な手法という印象を与えないのは、時間・場所・素材を限定しない日々の描く行為から地続きであり、また描く場所も素材も無限であるからこそ、その場所でしかできないことを行うために淺井の手がそれを流れにそって選択していたからかもしれません。これまで国内外を問わず数々の制作に取り組んできた淺井は、空間を読み解き、その土地で与えられた条件を受けいれ、素材と場所それらすべての関係のもとに、自然に突き動かされるようにして手を動かし作品を生み出してきました。 各地に広がる作品は、淺井がそこにいた痕跡を繋ぎ、また同時にその場所で紡がれた関係や想いの循環の中にいまなお存在しています。 作品としての物質的な永続性を問えば、水によって消えてしまう泥たちや、容易に剥がすことのできるマスキングテープなどを用いることと矛盾してしまいます。 しかし消えることも残すことにも逆らわず受け止める作品には、確かな記憶と“描く”という行為自体が、ありありと時に物質よりも強くそこに継続して残されていくのです。3年ぶりの ARATANIURANO での個展となる本展では、米国ヒューストンのライスギャラリーにて現在開催されている初の海外個展「yamatane」での縦 5m、幅 34m に及ぶ泥絵の制作を通して自身の中にある制作のプロセスを再確認し、「六甲ミーツ・アート 2014」にて発表した作品同様に、マスキングテープとペンで壁面ではなく空間に制作する作品が登場します。 六甲にて植物園の枝と枝の間の空間を読み解きながら、現地でマスキングテープを用いキャンバスを制作し、空間を彫刻するような感覚を味わったという淺井が、今度は室内のホワイトキューブにおいてその感覚と行為を確かめるように新たな制作に挑みます。
【関連イベント】
トークイベント
悔しい時に描く絵の話し
日時: 2014年11月19日 (水) 19:00〜20:00
講師: 遠藤一郎
※詳細は公式ホームページよりご確認ください。
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