児玉画廊|白金東京における、映像インスタレーション「Realistic Virtuality (現実的な仮想性)」シリーズを体系的に見せる個展形式での初の発表機会です。このシリーズは、作品形態として映像と造形部の大きく2つの要素から構成されています。まず、作品を前にして一番最初に目に飛び込んでくるであろう映像は、基本的にプロジェクションによって壁面に大きく投影されています。そこにはニュースかドキュメンタリーの報道映像、あるいは、SF映画か特撮番組のワンシーンかと思わせるものなど、迫力と臨場感を感じさせる映像が映し出されています。視線をその脇に据えられている造形物へ移すと、その映像が実は今眼前にある造形物をその場で映しながらリアルタイムでスクリーニングしていることに気付くのです。作品の実体部分となっているこの造形部は、カメラに映り込む範囲は、工夫を凝らして細かなニュアンスまで念入りなリアリティの追求がなされています。しかし、その裏側へ目を向けると、映像に映し出されないと分かっている部分ではあからさまに手が抜いてあるのです。本物かと見紛うような極めてリアルな映像を見せつけておきながら、そのリアリティを生み出しているのが手作りの痕跡さえそのままの存外に拙い造形部であるという極端なギャップを敢えて示すこと、この作家の策略に嵌ることで、映像というものの真実 (リアリティ)とは一体何であるのかという疑問を抱かずにはいないことでしょう。
日々、様々な映像に触れ、あまりに身近にありすぎることで、その真偽に無関心あるいは鈍感になりつつある我々に対し、「Realistic Virtuality (現実的な仮想性)」シリーズは、創意工夫に溢れた仕掛け装置とダイナミックな映像に心が躍るようなエンターテイメントとしてありつつも、ふとした瞬間に、鑑賞者が「何を見ているのか」「何が真実か」という疑念の迷路に入り込む悪戯な手招きをしてくるのです。
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