オープニング展となる本展では、児玉画廊の本領とも言える展覧会シリーズ "ignore your perspective"の第35弾として「外見の違うハードコア」と題し、貴志真生也、関口正浩、和田真由子の三名を取り上げます。現代において美術は多様なメディア、思想を含み、なおかつ作品形態もそれに応じて無限の広がりを見せています。近代以降国際展に見る社会との関連性、現代においては、ともすればアートの名を冠した町興しや企業キャンペーンの使命を担わされます。また一方では、マーケットにおける投機的価値形成、ハイソコミュニティの社交ツール、そしてお洒落アイテム化。など、美術に対して求められる要素も多様化の一途を辿っています。ギャラリーの立ち位置も含め、多くの矛盾を孕むジレンマもまたアートの宿命と言えるでしょう。今ここで美術の有り様のそれぞれについて、善悪や真偽を問おうというのではありません。その渦中においてなお、美術の歴史における中心核: 「ハードコア」に連なることを志した制作を直向きに続けている作家が存在する以上、そこに今こそ目を向けずにはおれない、ということなのです。貴志、関口、和田の三名の作品は、間違いなく美術の新側面に寄与するものでありますが、一様におよそ「ハードコア」なるものの想像からは大きく外れた外見をして見えるのかもしれません。しかし、であるからこそ、彼らの作品が問うているものの重要性とその可能性について注視しておくべきはずなのです。
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