Gallery Momo Ryogoku藤森詔子は1986年北海道生まれ、2013年東京芸術大学修士課程を修了し、群馬青年ビエナー レ(2010年)やFACE2014損保ジャパン美術賞などに入選し、個展は2009年以来5回を重ね、当ギャラリーでは2015年に続き2回目の個展となります。藤森の初期作品は性別が判然としない、内臓や血管が見えてしまうかと思えるほどの、皮膚というより薄い皮膜で覆われた人物を描いていました。そうした肌で感じられる感覚にリアリティを持ち「シリアスだった」と藤森自身は語っています。
前回の個展では、先端的でファッショナブルな衣装を身に付けた人物をマネキンのように描き、かつてのイメージを一新させました。そして「ファッションは“第二の肌”である」と語る通り、基本的な思考に変更はなく、直接的な皮膚感覚から、身に付けた衣服が他者とのコミュニケーションツールとなり、間接的な表現へと変化しました。
今展では、反射色と言う意味の『Color Reflection』をタイトルにして、鏡に映ったようなイメージを描いています。しかし、描かれた鏡は割れ、風景は幾つにも乱反射し、見えづらくなってしまっています。情報量が増えるに従いコミュニケーションは煩雑さを増し、相互の関係を分かりにくいものとしている状況は確かにあり、 全ては受け手の側に委ねられることが増えています。 しかし、藤森はそうした状況を悲観的に見ている訳ではなく、その中から、自分のために何を選ぶかが大切であると前向きに捉えています。発信者と受信者のギャップこそが、新たなものを産み出す可能性を秘めていると受け止められ、作品を通して作者の発信するものを、受信者の立場で咀嚼し考えていただければ、今展での展示も意味あるものとなるでしょう。
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