[画像: Hanbok, (Déracinée) (c)Yoshimi Lee]

「オリエンタル・ディスクール」展

KOMAGOME1-14cas
終了しました

アーティスト

ヨシミ・リー、アリサ・バーガー、ユミソン+イシャイ・ガルバッシュ、イシャイ・ガルバッシュ
東アジアにゆかりのあるアーティスト2人と1組による展覧会を開催いたします。本展は、東アジアの女性たちの表現を通じ、その魅力はどこから来るのかを考える展覧会です。
オリエンタリズムとは、東方趣味、東方世界へのあこがれを持った眼差し/思考です。眼差しは西洋から向けられます。しかし西洋のみならず、西洋的な思考をもった東洋の私たちの眼差しもまたそこに含まれるのではないでしょうか。そしてその眼差しはお互いに向ける対等なものではなく、神秘的な文化/近代化されていない未熟な文化へ向ける、一方的に覗き込むような眼差しです。文学批評家のエドワード・サイードは、西洋人が持つ中近東の人々への「好色・怠惰・知的、肉体的にも劣っている」という定式化したイメージは、支配者による物の見方/様式だと指摘しました。こういった西洋と東洋の「根本的な違い」は根拠のない思考ですが、オリエンタリズムの様式を信じることによって、東洋人を含めた私たち共通の「真実」になっていきます。それは中近東だけでなく東アジアの私たちへも向けられています。代表的な例を挙げると、西洋人から見た東洋人のアイコンとして肉体的・知的に劣っている様子を表す「メガネに出っ歯」は有名です。小説/映画「ティファニーで朝食を」では、東洋の「知的、肉体的にも劣っている」男性として厚いメガネをかけた背の低い出っ歯の人物が、知的さからかけ離れた幼稚さを持つ怒りっぽい日本人男性として描かれ、西洋的な文脈で消費されています。知的さというのは、学歴や知識量の話ではなく、知的な振る舞い/近代的な自我や倫理観を持たないという意味での無知さを指します。「ティファニーで朝食を」以降も多くの東洋人男性たちは、お金を持っているビジネスマン、または飛び抜けて頭のいい研究者やプログラマーという設定ではあっても、多くの場合は知的な振る舞いはしない人物として、ハリウッド映画を始めとする欧米の映画や小説で描かれ続けています。東洋の女性は、「怠惰で好色的」として西洋の眼差しによって好んで描かれたモチーフです。人々は描かれた絵画や小説の中の娼婦を好奇の目で見ることにより、東洋人の女性を理解し、それが「東洋の真実」であるかのように扱っていきました。さらに東洋の女性自身も、西洋からの視線を内在化して「東洋の女性らしく」振る舞うことで自分の存在を西洋的なものの中で確立していくこともあります。アーティストの草間彌生は若き頃、単身ニューヨークへ渡った際に、ギャラリーや美術館に金色の着物で登場します。この場合の彼女は、好きな衣装を自由に選択しているとは言いづらく、西洋での自分を位置付けるために「オリエンタルな女性」というアイコンを借りて、自分の地位を確立しようと奮起しているという見方が妥当です。着物を纏うのは東洋の女性ばかりではありません。西洋の女性が「怠惰で好色的な」振る舞いをする時、ナイトガウンとしての着物を着るなど、東洋的な怠惰性を暗喩することもしばしばです。私たちは映画や文学で、素肌に薄い着物風のガウンを着た西洋人の女性をたびたび見かけます。そこには地理的/人種的な西東の枠組みはなく、思想的な分裂が見て取れます。アジアの日本でさえ、オリエンタリズムの思考を持ちます。他アジアと比べて早い時期、明治時代に近代化が行われた日本は、第二次世界大戦中に東洋の兄として知的に劣っているであろうアジアの弟たちを「永遠に」統治しようとしていました。自分たちを「兄」と位置付けている根拠は、近代化(西洋化)です。戦後の日本人の男性画家は、近代的な思考を獲得した西洋的な眼差しで、オリエンタルな沖縄を見つめ、芸者の女性たちを描きます。神秘的な文化への眼差しは、より近代化の遅れた国へ、男性よりも女性へと向けられてゆきます。本展に参加するアーティストたちに共通するのは、移民です。

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スケジュール

2019.11.29(金)~2019.12.09(月)

開館時間: 12:00〜18:00

会場の開館情報

イベントにより異なる
入場料無料
展覧会URLhttp://baexong.net/29-nov-2019-oriental-discourse/
会場KOMAGOME1-14cas
https://komagome1-14cas.tumblr.com
住所 〒170-0003 東京都豊島区駒込1-14-6 東京スタデオ1F
アクセス東京メトロ南北線駒込駅3番出口より徒歩2分、JR山手線駒込駅南口より徒歩2分
電話番号03-3946-3481

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