エモン・フォトギャラリーこの春EMONでは、写真家・Uma Kinoshitaと、美術家・矢作隆一による二人展を開催する運びとなりました。それぞれ異なる分野で活動する二人のアーティストは、時間を経たその痕跡に触れるように、2011年に起こった東日本大震災とそれに伴う福島第一原発を題材に作品を制作しています。本展『pairing FUKUSHIMA』はこの二人の創作活動に着目し、ドキュメンタリー写真と石の彫刻を通じて二人のアーティストの視点から見える福島の過去、現在、そして未来への想いを交差させるコラボ展としています。Umaは震災から3年経った福島を訪れ、その時に見た光景を厳格なコンポジションでモノクロフィルムに記録します。そして福島に千年続く手漉き和紙を使ってゼラチンシルバープリントを焼き上げ、テキストを織り交ぜた14組の作品が並びます。対して矢作の彫刻は、一見なんの変哲もない石のようで、実は石のフォルムを忠実に削り出す「模石」(もせき)をギャラリー中央に展覧。採取した石は波江町と富岡町で見つけた石であり、それとそっくりに削る石は、メキシコ唯一の原発の付近で採取した石が選ばれました。この二人展はいくつもの「対」を構成しています。対話するように紡がれたUmaのテキスト。掌であたためるように石を削った矢作の模石。そして海を越えて交わる写真家と美術家の想い。このエキシビションは、反原発の立場で論ずるものではなく、原発事故を引き起こした私たち世代の責任と捉え、時が経っても尚立ち止まり、考える機会をつくろうとするエキシビションです。本作品は東京・広尾で展覧会を行った後、京都国際写真祭2019KG+に巡回。会場を京都に移して二人展開催を予定しています。
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