GYRE GALLERYギラギラ、ピカピカ。その鮮やかな煌めきはとどまるところを知らない。しかし、単に造形的・視覚的華麗さだけがその輝きを生み出しているのではない。眩しいほどにくだらないありとあらゆるものが、雑多でありながらも尊い我々の営みをありありと照らし出すがゆえに輝くのだ。 森羅万象とは、異質なものや対極・双極にあるものが密接に絡まり合い、循環し、存在するこの世のすべてである。チェ・ジョンファが生み出してきたものとはまさに、相反するものごとのぎこちなくも強烈な出会いである。天と地、人工と自然、人と物。それらを羅列、反復、集積、拡大、結合、転置といったあらゆる方法で転回させ、縦横無尽に紡ぎ、千差万別の活き活きとした動きを創り出す。有限から無限へといざなうチェの創作は、生と死の双方を抱きかかえるように再び命を吹き込み、活力を生成する業(わざ)であり行(おこない)なのだ。 チェの世界観は、「生生活活(せいせいかつかつ)」という言葉に集約される。それは、一見無味乾燥な私たちの生活や暮らしのいたるところに、すでに躍動感と生命力が満ち溢れているいうメッセージである。世界のありとあらゆるガラクタを収集し、組み換え、再配置する行為は、干からびた世界という土壌を掘り起こし、種をまく儀式のようでもある。やがてその根は大地に広がり、幹や枝は空に向かい、花が咲いて実を結び、木となりそして森となる。人工のものたちで奥深き自然の道理を表現するチェの創作=錬金術とはすなわち、生命として躍動する花であり、森なのである。