表参道画廊アズビー・ブラウンは、1985年より日本に在住。アメリカでは日本建築を学び、来日してからも研究を重ね、日本建築に関する著作が多くある。並行して新聞や雑誌への美術批評も多々寄稿している。活動分野はアート、建築、サステナビリティ、神経科学へと広がり、2011年福島第一原発事故発生以後、活動を続けるSAFECASTでは、リードリサーチャーとして、活動のリポートや論文の著者でもある。
その多様な活動が、どれもアズビー作品には内包され、表現されていると思う。イエール大学彫刻科では、カラフルで多様な構成物により空間全体を構築する作家、ジュディ・パフにも学んだと言う。その影響も感じるが、自身で学び研究した、建築や美術や詩や文学の歴史から、作品のコンセプトは生まれている。80年代後半からの作品群は、一貫して大きく変わってはいないと感じるのは、そのルーツのせいでもある。本展にはダンテの「神曲」の三つの世界から地獄編が現出する。作品に使われる素材に特別なものはなく、土、植物、コンクリートブロック、トタンなどと身近で手に入る。2015年ドイツ・ホンブロイッヒでレジデンスをし制作され、現在でも続いているプロジェクト作品も展開する。
彼の研究の一つに「手を考察する」がある。2007年の論文の最後に記されているのは「全ての手がコミュニケーションプロセスから排除された場合、何が失われるか?私達の幸福に欠かせない自己と経験の全領域。私達の文化である複製、シミュレーション。技術の完璧さにおいて今日手に依然として残されたほとんど全てのものは、永遠の価値がある事が分かる。」と。
本年、私達が経験している新型コロナウイルスの猛威に、大きな問題提起を投げかけている。
まず難しい議論は後にして「作品を観る、作品の中に入り選ぶ。作品に参加し、あなたにはどの様に見えるか?」をその場に立って感じて欲しい作品です。2部屋とそれを繋ぐホールをも使った、巨大インスタレーション作品を展開します。
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