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市川詩織 + 津川奈菜 「blooming sensations」
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[画像: 左: 津川奈菜 ”喰われる子” 陶器 11×13×33cm 2020 右: 市川詩織 ”幽体離脱” フィルムにシルクスクリーン 31×39cm 2021]
市川詩織 + 津川奈菜 「blooming sensations」
s+arts
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アーティスト
市川詩織、津川奈菜
s+arts(スプラスアーツ)より、市川詩織と津川奈菜による二人展「blooming sensations」の開催をお知らせいたします。
市川詩織は、主に人間と動物の間に生まれる問題をモチーフに、ドローイングとシルクスクリーン版画の作品を制作しています。人間と動物(主にペット)の間に立つ視点から人間社会を観察し、そこから見えてきた奇妙に思える出来事や一方的な逸話、そして人間の欲望の鏡のように振り回される動物たちの問題について考え、その問題に対する人間の多様な答えの可能性の問いかけをのせて作品にしています。市川の作品を前にすると、言語がないペット達に対して我々は確かな答えを得ることが出来ないまま、不毛な議論をすることを要されることになるでしょう。「その議論は一見無意味に見えますが、議論をするそれぞれの人間のルーツや環境をお互いに知り、認め、一緒にその答えを探していこうという過程を生みます。」と考える市川は、見る者が議論を始めるきっかけを作る装置としての作品を考え、お互いに許し合い認め合う社会の足しになるようにと願い、制作を続けています。一見綿密に計画立てた上で制作に取り掛かっているかのように見える市川の作品ですが、制作過程で版と支持体が起こすハプニングは、我々が考えつかないような価値観に出会った時のように、何かを気づかせ、内容を変更していくこともあると彼女は言います。シルクスクリーンで刷った作品を多く発表する本展でも、孔版というメディアがもつ物体としてインクが支持体に落ちていく感覚を、自身の願いを外に押し出す感覚に重ねています。津川奈菜の制作の要はドローイングから始まります。紙に鉛筆を使い、ひたすら描き/消すという触覚的な行為によって、意図していなかった脈略のない絵が浮かびあがると津川は言います。また、並行して制作を続けている陶芸作品においても、ドローイングから浮かび上がったイメージから派生したり、手で掴む触覚的な感覚を膨らませたりすることで形成されていきます。
津川のドローイングは全て、曖昧な印象を持ちながらも風景画のように見え、立体はそこから飛び出してきたキャラクターのようにも見受けられます。しかしながら、実際に目に見た風景やモデルがいるわけではなく、日常の中で彼女が気にかけた出来事の感覚を、手を動かすことで留めているのです。「そこには思いぐせや不条理さが同居しており、記憶に似た幽霊的な存在感を感じている。それらはダイレクトに知覚すると恐ろしい存在に感じるが、表現になることによって間抜けで愛着の湧くポジティブなものなるように感じている。」と津川は語ります。目で見るだけではなく、五感で捉え記憶しているものが、制作の中でもう一度ズレを生じさせながら、自身が作ったものを通して現れるからこそ、作品から醸し出される独特の曖昧さをより魅力的にしているのでしょう。
両者の作品から受ける、動物や人型のモチーフなどの可愛らしい印象と、制作過程で起こる予想外の発見に作家自身の感覚を重ねることにより形成されているという事実が交じり合う展示となりました。これを機に、是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。
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スケジュール
2021年3月19日(金)〜2021年3月28日(日)
開館情報
時間
12:00 〜 19:00
最終日は17:00まで
休館日
日曜日、月曜日、火曜日
備考
開廊時間 12:00〜18:00
入場料
無料
会場
s+arts
https://www.splusarts.com/
住所
〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
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アクセス
都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号
03-3403-0103
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