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[画像: Design: Kijuro Yahagi]

「ソール・スタインバーグ シニカルな現実世界の変換の試み」

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
終了しました

アーティスト

ソール・スタインバーグ
アメリカでもっとも愛された芸術家の一人、ソール・スタインバーグ(1914—1999)の逝去から22年。スタインバーグの名前は日本でもおなじみですが、今もっとも再発見、再評価を必要としている芸術家です。

スタインバーグは、ドローイングを「紙上で推論する方法」と捉え、神話化されたアメリカの理想像と現実とのギャップや、不気味で滑稽な不条理、たとえば、古いものと新しいもの、優雅と狂暴といったものの混在とその見えない裂け目(クレバス)を、ユーモアと風刺を備えた、軽妙でしかも鋭利な線(line)で描きました。彼は、「見えない線」、「見えないもの」、「見えない言葉」、「見えない構造」を視覚化し、意味の変換、概念の変換に生涯挑戦し続けました。

自分自身の肩書の曖昧さを積極的に受け入れてようで、世間からも「描く文筆家」、「言葉と音の建築家」、「境界線上の芸術家」、「新しい思想の起案者」など様々に評され、常に未知の視覚的領域を超えて、子供の絵や大人の落書きから、クラシック、バロック、マニエリスム、表現主義、キュビスム、構成主義まで、あらゆるスタイル、あらゆる表現方法を試みました。

「私は読者に共犯を呼びかけている」と、スタインバーグは見る側を、現実の理不尽さに目を向けるために当事者になることを煽ります。スタインバーグが生み出した造形は、このような思索と思想を武器に、イタリアの風刺新聞『ベルトルド』やアメリカを代表する雑誌『The New Yorker』誌をはじめ、数々の新聞や雑誌の紙面を、美術館の壁にあるピカソの絵と同じくらい明確に、芸術の場に変えたのです。

今回、日本初の大々的な個展となる本展では、ニューヨークのソール・スタインバーグ財団よりご寄贈いただいたポスター、リトグラフ、エッチング、木版画など62点、和田誠事務所よりご寄贈とお貸出しいただいた7点のポスター、フランスのマーグ画廊の作品集5冊、さらに、ドローイングを中心とした代表作の複製作品などを含む、合計約280点の作品を一堂にご覧いただきます。

本展の監修をいただいた矢萩喜從郎氏曰く、「スタインバーグのドローイングを見せられたほとんどの人が、有り得る筈がない情景、と最初笑って反応したとしても、すぐに戸惑い、思考が停止し、宙吊りにされてしまう」。ぜひこの感覚を、会場の作品に直接対面して、ご体験ください。

スケジュール

2021年12月10日(金)〜2022年3月12日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
日曜日、祝日
備考
12月28日から1月5日は休館
入場料無料
展覧会URLhttps://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000785
会場ギンザ・グラフィック・ギャラリー
https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/
住所〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル 1F/B1
アクセス東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B5出口より徒歩5分
電話番号03-3571-5206
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