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[画像: 油野愛子 The house 2021 spray and oil on bronze 63.0 x 60.0 cm ©︎Aiko Yuno]

油野愛子 「When I’m Small / 小さかったころ」

小山登美夫ギャラリー六本木
終了しました

アーティスト

油野愛子
幼い頃の未来への夢、希望と、大人になって知る現実。油野は、その違和感や悲しみ・喜び・怒りによる衝動を、立体、インスタレーション、絵画など、幅広い方法で表現します。金属や樹脂、陶芸、アクリル絵具など多様な技術と素材を使用し、戯れながらその特徴を研究。意図的な表現に素材自体の自然な動きが加わることで、作品には不安定な感情の揺れ動きが表われるかのようです。

立体作品「THE HOUSE」の素材の発泡ウレタンは、空気に触れることで泡を発生し、液体から個体に変わっていく。その化学反応を活かして、鮮やかな色彩のおもちゃの家が内面を吐き出すかの様に、どんどん成長する思春期の体のように、みるみる形を変えて窓や扉から隙間なく溢れ出し、しかもその立体をさらにブロンズに形成しています。

絵画作品「Narrative」シリーズでは、アクリル絵具が一定の間スプレーを浮かせる特性や、樹脂の他素材とは馴染まないといったマイナス的特徴を利用し、絵画の見え方に立体的要素を取り入れて表現されます。水面のような光沢のある樹脂の表面は、重力を感じさせるとともに、静止した時間をも感じさせます。

また、平面作品「KFC」では、レンチキュラー(かまぼこ状のレンチキュラーレンズに印刷をし、平面でも3Dのような立体感や奥行きを出し、角度を変えると絵柄が変化する技術)を用い、キャンディー、猫といった幼児性のあるモチーフを焼き払うように炎のイメージが重ねられており、村上由鶴氏はこれらの油野作品に「成長期の情緒不安定さの凝縮」を見出しています。

「この情緒不安定という大衆性は、油野の作品をアクチュアルに感じることのできる足がかりとなるだろう。感動や怒り、悲しみといった派手な感情ではなく、油野の作品世界に充満する散漫で移ろいやすい気分の中にこそ、いきるわたしたちのリアイリティがあるのだ。」
(村上由鶴「油野愛子作品集に寄せて」)

誰しもが経験したであろう、成長期のうつろいやすさ。油野が試みる、過去を振り返りながら自分とは何かを問う表現に、鑑賞者は自身の情景を映し出すのではないでしょうか。

スケジュール

2021年10月1日(金)〜2021年10月16日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttp://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/yuno2021/
会場小山登美夫ギャラリー六本木
http://www.tomiokoyamagallery.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
アクセス東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1b出口より徒歩2分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩8分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩11分
電話番号03-6434-7225
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