セイコーハウスホール当代随一の伝統木版画家・牧野宗則さん、同じ技法で独自の世界を確立した次女の風鈴丸さんによる和光で初の二人展を開きます。長らく分業で行われてきた絵師、彫師、摺師の全過程を自らの手で行う稀有な存在のお二人です。
静岡市で生まれ育った牧野さんのそばにいつもあった富士山。ここ10年ほど、作品のモチーフの八割は富士山です。「1年という時間の全てを費やして『悠々無限』を完成させました。悠かなる刻の流れの中、気高く美しい富士の姿と、すべての命の母である海を描きました。幸せで希望に満ちた時代になるようにと願いを込めました」と笑顔でおっしゃいます。
幼い頃からよく夢を見て、翌朝もその内容を鮮明に覚えているという風鈴丸さん。「色や音、匂いも含めて“記憶の引き出し”にずっと入っていて、いつでもそこから出すことができます。『これを残したい』と思うものを作品にしています」と話します。夢で見た情景を描き、そこに詩を添えたロマンティックで唯一無二の作品です。
牧野さんはブロックスアート約10点を含む50余点、風鈴丸さんは版画とアクリル画、30余点を出品されます。「同じ伝統木版画の技法を用いた父娘の作風の違いを楽しんでいただけたら」と風鈴丸さんは話されます。
鮮やかな色の組合せの妙や構図の面白さ、一枚の画のなかで展開される豊かなストーリー、そして何より伝統木版画への情熱が味わえます。
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