銀座メゾンエルメスアーティスト
クロエ・ケナム、イザベル・コルナロ、エンツォ・ミアネス、ミシェル・ブラジー、小平篤乃生、ジュゼッペ・ペノーネ
※本展示は開館時間を短縮しております。
エルメス財団は、アーティスト・レジデンシ―10周年記念展「転移のすがた」を開催いたします。
「アーティスト・レジデンシ―」は、アーティストをエルメスの工房に招聘し、職人と体験の共有や協働制作を行う財団のプログラムで、2010年より継続して開催されています。現在までに、34人のアーティストが21カ所の工房に滞在し、皮革、シルク、クリスタル、シルバーなどの様々な素材を用いながら、職人技術に触れ、好奇心溢れる作品を生み出してきました。活動の成果は、「コンダンサシオン」展(パリ、2013年/東京、2014年)、「眠らない手」展(パリ、2017/東京、2018年)を通して、ご紹介してきました。
本展は、ソウル、東京、パンタン(パリ郊外)で同時期に開催され、過去10年間の歩みのなか、職人、アーティスト、メンターの間で、交わされ、紡がれてきた様々な「転移」のすがたを、3都市それぞれ異なる視点から複層的に回顧します。東京のフォーラムでは、滞在アーティストと推薦者(メンター)の関係性に着目し、彼らの作品の間に見出される共鳴やある種の共犯関係を明るみにします。ソウルのアトリエ・エルメスでは革に焦点を当て、この魅惑的な素材だからこそできる様々な芸術的アプローチを提示します。最後に、パンタンのマガザン・ジェネロー(アート・スペース)の展示では、すべてのアーティストをご紹介することで、プログラムの全容を再見し、その豊かさを紹介いたします。
10周年記念展のディレクター、ガエル・シャルボーは、タイトルについて、下記のように説明しています。「『転移』とは、現在の出逢いの中に、過去の欲望が再現されるメカニズムを意味する精神分析の用語を参照しています。アートの世界と職人技の世界が、レジデンシーの時間のなかで一体化してゆく過程の象徴として用いました。私たちの心の内に深く根ざした名状し難い何かが、ひとつのかたちに辿り着くまでには長い時間がかかります。その時間によって転移が生まれるのです。」
フォーラムでは、2020~2021年のプログラムに参加したクロエ・ケナムとメンターのイザベル・コルナロ、エンツォ・ミアネスとメンターのミシェル・ブラジーに加え、フランス在住の小平篤乃生(上記「コンダンサシオン」展に参加)とメンターのジュゼッペ・ペノーネという3組のアーティストとメンターをご紹介いたします。レジデンシ―で制作された作品だけでなく、メンターと滞在アーティスト各々の作品を一望する展示を通じて、師弟関係としてだけではなく、芸術的感性が応答しあうアーティスト同志としての姿も読み取ることができるのではないでしょうか。「転移のすがた」は6人のアーティストたちの素材を扱う手つきや問題意識にも不思議な連鎖を生み出してゆくことも興味深い解釈になるでしょう。
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