[画像: Christian Dior, New York, 1947 Gelatin silver print Collection MEP, Paris © The Irving Penn Foundation]
京都市京セラ美術館パリのMEP(ヨーロッパ写真美術館)が所蔵するアメリカ人写真家アーヴィング・ペン(1917〜2009)のコレクションは、欧州では最も重要かつ充実したペン作品のコレクションのひとつです。この特別なコレクションは、MEPとペン自身との間の長年にわたる親密な関係性の、そして作家の死後はその息子であるトム・ペンが運営を行っているアーヴィング・ペン財団との密接かつ貴重な協力関係の賜物ともいえます。
現在、MEPは100点以上のヴィンテージプリントを所蔵しており、そのうちの80点を展示する本展は、ペンの作品の豊かさや多様性だけでなく、そのプリントメーカー(現像技術者)としての驚異的な技術にも触れることができる貴重な機会となるでしょう。銀塩写真でも、プラチナパラジウムプリントでも、カラープリントでも、ペンの作品は写真史の中で非常に高く評価されています。
ペンは、静物写真から風景、ポートレート、ファッション写真に至るまで、あらゆるジャンルの作品をいとも簡単に、しかも最高のクオリティで生み出すことができる写真家といえます。KYOTOGRAPHIEとMEPは静物写真、風景写真、肖像写真、そしてファッション写真と全てを網羅し、日本とフランスのDIORの支援のもと、貴重な作品群を日本で初めて公開する運びとなりました。
1930年代末のアメリカで撮影された最初期のドキュメンタリー作品から第二次世界大戦中の作品、そして鋭く胸に迫る晩年の静物写真まで、アーヴィング・ペンは常に最高のクオリティの写真を追求し続けました。依頼を受けて撮影した商業的な写真の技巧においても、個人的な作品の芸術的な表現性においても、等しく高い評価を受けているという点で、ペンに比肩する写真家は存在しないでしょう。タバコの吸殻やチューインガムまでをも被写体とした、一見シンプルに見える静物写真でも、美しく洗練されたファッション写真や有名人のポートレートでも、その高いクオリティには全く差がありません。全ての被写体が完璧な場所に置かれ、芸術性をまとって写し出されています。そこには、ペンが人生を通じて会得した観察眼、思考、構成力、そして完璧なプリント技術のすべてが注ぎ込まれています。
会場: 京都市美術館 別館
※本展示はKYOTOGRAPHIE 2022に参加しています。
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